予想外の逸脱に対する処理

2016/11/02 品質システム

余 知暁

"最近、イギリスの医薬品医療製品規制庁(MHRA: Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)のブログにおいて、GMDP査察官Trevor Watson氏はEU GMPの「Annex 16: QP(Qualified Person)による証明及びバッチリリース」について、予想外の逸脱(unexpected deviations)に対する処理方法に係る見解を示した。

Annex 16のセクション3は、QPはどのような状況において適合性を確認するか、或いは市販承認やGMPからの予想外の逸脱が発生したバッチの製品品質を証明することを考慮するのかについて、ガイダンスを提供している。

アセスメント基準について、Trevor Watson氏の考えは下記の通りである。

新しいAnnex 16のセクション3に記載した方法に従いバッチの製品品質を証明する時、下記の前提条件を満足しなければならない。
 
・原薬、添加剤、包装材料及び医薬品(中間製品、バルク製品と最終製品)の登録規格を満足すること。登録された基準に適合しない場合、Annex 16(セクション 3)の方法は適用しない。
・予想外の逸脱だけはAnnex 16(セクション 3)の方法を適用する。発見されるまでに製造されたバッチの出荷承認をしてもよいが、次の製造と試験は市販承認書に適合すること。逸脱が繰り返されるときは、予想外の逸脱の基準を満たしていないため、出荷認定してはいけない。
"

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執筆者について

余 知暁

経歴 株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。 PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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