医薬品設備建設における「オーナーのプロジェクトマネジメント2nd改訂版」【第6回】

(5) 基本計画を開始時のユーザー要求(UR)
 基本計画の開始時点では、FSステージでの検討結果よりコンセプトURがまとめられ、これをベースに基本計画での各種検討が行われる。
 このコンセプトURには、FSでの成果物レベルにもよるが、主として以下のような項目を含む。ただし、以下に限定するものでもない。すなわち、要求する事項は明確にしておくことが重要であり、どこまで記載すればよいとか悪いという問題でもない。特に、要求事項がmustなのかwantなのか、あるいはもっと次元の低い根拠のない要求なのか、ということを明確にしておくことが重要である。

  • プロジェクトのコンセプトUR
    • プロジェクトの背景や現状の説明書
    • プロジェクトの目的(例、新製品、増産、工程改良、コスト削減、更新など)
    • プロジェクトの妥当性
  • 製品やプロセスのコンセプトUR
    • 生産量予測と生産方式(専用設備、マルチパーパス、バッチ、連続、交替制など)
    • 製品または中間品の規格や性状など(この時点で把握できる範囲
    • 製造プロセス(この時点で把握できる範囲)と操作の考え方
    • 類似の製品やプロセスの過去の経験
    • その他
  • 規制関連のコンセプトUR
    • GMPの規制対象先
    • GMP以外の法令の上乗せ基準や官庁との特別協定など
  • 一般事項のコンセプトUR
    • 社内基準や社内標準など
    • 特殊な要求事項など
  • 基本計画設計条件
    • 設計を進めるための基本的な条件(環境気象条件、ユーティリティ条件など)
    • 設計指針、設計方針、設計基準など

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