【解説】健康食品GMPの実践的対応ガイド ~紅麹事案を教訓に、医薬品GMPから学ぶ品質保証体制の構築~【第7回】

【第7回】GMPの実践② ― バリデーションの計画と実施

本稿は、Wellness Daily News(https://wellness-news.co.jp/)に寄稿した記事を再編し掲載します。
Wellness Daily News掲載記事(2025.11.28)『健康食品GMP実践的対応ガイド(7) 【寄稿】GMPの実践② ~バリデーションの計画と実施


前回は、日々のGMP活動の流れを解説しました。しかし、そもそもその製造方法や設備が、常に期待される品質の製品を安定して製造できる能力を持っていることを、どうやって保証するのでしょうか。その科学的な証明こそが、GMPで最も重要かつ難解な概念の一つである「バリデーション」です。

1. バリデーションとは何か?
バリデーションとは、一言で言えば「私たちのやり方で、いつも同じように高品質な製品が作れることを、事前に科学的なデータ(実績)で証明し、文書に残す活動」です 。

  • 定義:GMP告示では「製造所の構造設備、手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が、期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすること」とされています。
  • 目的:勘や経験に頼るのではなく、「この手順・設備・条件で製造すれば、間違いなく規格に適合した製品ができる」ということを、客観的な証拠に基づいて保証するために行います。
  • 料理のレシピの比喩:新しいレシピで料理を作る時、いきなり大勢に振る舞うのではなく、まず何度か試作して火加減や材料の量を調整し、「このやり方なら、いつ作っても美味しく、同じ味のものを提供できる!」という確証を得て、そのレシピを完成させます。バリデーションは、このようなプロセスに似ています。

2. バリデーションのステップ(IQ, OQ, PQ)
特に新しい設備を導入する際には、それが正しく機能することを科学的に確認するため、一般的に以下の3つのステップで適格性評価(Qualification)が行われます。

  1. IQ(据付時適格性評価)
    • 目的:「機械が、設計図通りに、正しく設置されているか?」を確認するステップです。
    • 確認項目:型番の確認、配管・配線の接続、関連図面の有無など。
  2. OQ(運転時適格性評価)
    • 目的:「機械が、設計された通りに、ちゃんと動くか?」を確認するステップです。
    • 確認項目:スイッチやボタンの作動、警報装置の機能、パラメータ(回転数、温度など)が設定範囲内で安定して動作するかなど。
  3. PQ(稼働性能適格性評価)
    • 目的:「実際に製品を作る条件で、ちゃんと期待通りの性能を発揮するか?」を確認するステップです。
    • 確認項目:実際の原材料を使用して運転し、製造された中間製品や最終製品が品質規格を満たしているか、再現性があるかなどを評価します。

 

 

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