ラボにおけるERESとCSV【第133回】
FDA 483におけるデータインテグリティ指摘(102)
7.483における指摘(国内)
前回より引き続き、国内企業に対するFDA 483に記載されたデータインテグリティ観察所見(Observation)の概要を紹介する。
■ IIIII社 2024/1/19
施設:原薬工場
■ Observation 5
ラボシステムにおける電子記録と監査証跡のレビュー手順においてレビュー対象を明記しておらず、データレビュアーが電子記録と監査証跡を的確に評価できる保証がない。例えば、職員Aはシステム中のファイル名を変更できるが、監査証跡レビュー手順にはファイル名変更を検索する手順が記載されていない
★解説
監査証跡の機能、表示形式、検索機能はシステムごとに異なる。したがってデータレビュー手順書はデータレビューを行うためのシステム操作手順書として「システムごと」に作成する必要がある。たとえば、どの画面においてどのように監査証跡を検索し、どのように合否判定するかを「システムごと」のシステム操作手順書に記載し、だれでも一貫性のあるデータレビューができるようにしておかねばならない。
たとえば、各システム共通のデータレビュー規定として以下のようなデータレビューポイントをデータレビュー規定等に規定しておくだけでは不十分である。このような包括的なデータレビュー規定「だけ」では指摘を受けてしまう。
✓ 権限なくデータやパラメータが変更・削除されていないか
✓ 使用したパラメータは正しいか
✓ 不都合な事象を隠蔽していないか
✓ 正当な理由なく繰り返し測定していないか
(繰り返し測定の妥当性を記録により確認)
(繰り返し測定の妥当性を記録により確認)
✓ 試し打ち(テストインジェクション)は妥当か
✓ 正当な理由なく手動解析/再解析をしていないか
✓ 手動解析/再解析の開始条件は規定を満たしているか
✓ 手動解析/再解析の内容は妥当か
✓ シングル・インジェクションは妥当か など
システムごとに、どの画面においてどのように監査証跡を検索し、どのように合否判定するかをシステム操作手順書として規定しておく必要がある。さもないと、だれでも首尾一貫したデータレビューを実施できない。
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