ドマさんの徒然なるままに【第87話】 登り坂46

第87話:登り坂46
遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。
本年も「ドマさんの徒然なるままに」のご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
さて、読者の皆さん、委託先への監査でチェックリストを用いていますか? チェックリストを用いる場合は、その都度、監査相手にあわせて内容を確認して調整していますか?
委託先監査、特にお初の委託先であれば、チェックリスト以前に、まずは概要を知りたいということから、一般論としての質問事項を羅列した「汎用的な質問状」を用意しておいて使用するというケースが多いように思います。それを踏まえて実地監査を行うとした場合、その回答と委託品目の品質リスクを鑑みてチェック事項を調整する必要があるでしょう。例えば、同じGMP要件に対するチェックであっても、その状況や製品によって、チェックする観点も程度も変わると思います。そんなことを考えてチェックリストを作成していますか?
しかし、チェックリストともなると、実地で使用するということから、「ここを聞きたい」とか「これが気になる」とか絞らないと時間の無駄が生じます。下手に汎用性のあるチェックリストの場合、ややもすると“形式的”あるいは“形骸化”した監査になってしまう可能性すらあります。そんなことにならないようにするため、と言っては大げさですが、あるひとつのチェック事項に対して、上中下といったら失礼ですが、ローレベル/ノーマルレベル/ハイレベルなチェックとして整理してみました。あくまで、筆者の個人的(感覚的)見解に基づくレベル分けであり、こうでなければならないといったものではありません。
詳細は、リンク先のExcelファイルをご参照ください。別に本ファイルをダウンロードして使ってください、ということではありません。あくまで“ご参考”です。ただ、自社・自身で工夫して使う(作成する)ための参考情報としたいという物好きな方も居られるかもしれない(失礼な言い方でゴメンなさい)と思い、pdfファイルではなくExcelファイルそのものとしました。
なお、本チェックリスト、委託先監査だけでなく、自己点検の際にも使用可能として作成しています。
以下に、本チェックリストを読む際の前提を示しておきます。
① まず“バーチャル製造所”で、実在の製造所ではありません。委託先監査とした場合、委託品が原薬か製剤か、どの種類の剤形または包装か、医薬品か治験薬か、日本国内限定か海外輸出用か、といったことで変わります(変えざるを得ません)。
② ベースとなるGMPはGMP省令としていますが、PIC/S GMP部分も一部取り入れています。また、ローレベル/ノーマルレベル/ハイレベルの分類については、あくまで感覚的であり、根拠があっての分類ではありません。まずはローレベルの質問(確認)をし、相手さんの回答に合せてノーマルレベルへ、さらに突っ込みとしてハイレベルといった感じで読まれると何となくイメージできると思います。この流れは、質問で実態を窺い知る、筆者の姑息な監査のやり方(きったねー!?)でございます。
③ チェック項目は一例にすぎません。不要な事項もあれば、追加しなくてはならない事項もあります。
④ チェック項目(セル)の中には、同系列のチェックポイントが複数記述されているものがあります。これは、監査中に一連としてチェックするであろうというもので、筆者が実際にやっていた例として挙げています。悪しからずご了承ください。
⑤ チェック項目は、監査時のイントロダクションの被監査会社の説明時/現場ツアー時/書面調査時を区別しておりません。どの時点であっても、相手の説明の中で「聞きたい」、「確認しておきたい」と思った時点で処理することが大事だと思います。相手から「それは会議室に戻ってから記録と一緒にお見せします」などと言われることも多いかと思いますが、「それ確認したいので宜しく」として自分が忘れても相手には伝えておくことが、監査を効率的に進められ、かつ効果的と言えます。
⑥ 「評価」の欄を設けておりますが、作成本人としての意図は何もありません。もし読者として活用するとした場合を想定して設けただけで、ローレベル/ノーマルレベル/ハイレベルを1/2/3と点数付けしても構いませんし、×/△/〇といったものでも構わないと思います。
ちなみに、“オチ”みたいにはなりますが、筆者、委託先監査でも自己点検でもチェックリストは用いません*2。理由は、(まぁー、偉そうに)一般要件事項は頭に入っていることもあり、その場での質疑応答も含めて応対者の説明や態度に注力したいということからです。
なお、いい加減な奴だと思われたくないので、言い訳的に言っておきますが(完全に言い訳です)、委託先監査においては、「事前質問状」での回答に当該製造所(会社)の実態や実情を少しでも反映させたいという思いから、「事前質問状」はかなり慎重かつ丁寧に作成して送付しておりました。
本話タイトルは「登り坂46」*1としておきながら、46項目以上のチェックリストになっています。当初は46項目のチェックとするつもりでしたが、作成し出したらひとつのセルに複数項目をぶち込んでも46項目に収まらず、端折るのも面倒だし、ということの結果です(なんといい加減な奴だこと)
では、また。See you next time on the WEB.
【徒然後記】
本87話の裏話
本話、実は最初は「STK48」というタイトルで執筆していました。2019年頃に書いていたため、当時はAKB48の洒落としていました。そうすれば、続編として「登り坂46」や「下り坂46」も書けるという魂胆でした。が、AKB48がやや低迷し、乃木坂46や日向坂46といった“坂道グループ”が台頭して来た(逆転か?)こともあり、本話のタイトルを「登り坂46」に変更しました。ちなみに、「STK48」の際のSTKは“ShiTeKi(指摘)”の略です。オチは、頑張れば“SuTeKi(素敵)”にも成れるよ、ということでした。
どうでも良いことですが、GMP絡みのちょい読み話を書く身としては、こんなつまらないことを考えています。読者の皆さんがどう思うかは分かりませんが、執筆料をいただきながら書く者としては、これでも結構悩みながら書いています。シンパシーを感じていただけたら、嬉しいのですが・・・。
なお、(本文内にも記したように)お分かりいただけると思いますが、チェックポイントは46でも48でも収まりませんでしたので、その点はご了承ください。
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*1:上り坂と登り坂の違いを知っていますか? 簡単に言うと、以下の違いです。
・上り坂 → 地理的・客観的な「道や線路が上に向かっている」状態
・登り坂 → 行為的・比喩的な「登っていく」「発展していく」イメージ
ちなみに、逆の“下り”については、物理的な傾斜(道路・線路)の“上り”、行為・比喩(登山・人生など)の“登り”を問わず、文字としては「下り」だそうで、意味として使い分けするとのことです。
*2:監査員や自己点検者の養成という意味合いから、同行する者(サブオーディターといった者)に対しては、チェックリストを作成させておりました。それがどれだけ役に立ったかは当人にしか分かりませんが、当人の頭の整理にはなったのではないかと自己満足しておりました。
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