再生医療等製品の品質保証についての雑感【第84回】

第84回:細胞製造の品質マネジメントシステム (14) 
~ 製造環境(構造設備)の設計で大事なもの (8) ~


はじめに
 前回までで、予測的バリデーションと設計適格性評価(DQ)の関係をお話しし、URS作成段階における製造工程開発の留意事項をまとめました。これで製造管理者が製造再現性と工程安定性に関わる「作業の適格性」を担保可能な、生産する製品(製造工程)に基づいた区域の要求、および定量的な動線設計に基づいた仕様の要求が構造設備設計に反映できると考えます。さて、次に必要となるのは、「設備の適格性」についてですが、ここで重要となるのは何でしょうか。


● 管理戦略とモニタリングと構造設備設計
 構造設備は、設置後に適切に運用できることが何よりも重要です。安定した運用を継続するためには、管理戦略を構築することが不可欠となります。管理戦略とは、ICH-Q10(品質システム)では、「製造プロセスの稼働性能及び製品品質を保証する計画された管理の一式」と定義されており、「原材料及び構成資材に関連するパラメータ及び特性、設備及び装置の運転条件、工程管理、完成品規格及び関連するモニタリング並びに管理の方法及び頻度を含み得る」とあります。すなわち、構造設備の適切な運用のために、設計において必須なのは管理戦略であり、その道具として最も重要なのがモニタリングと考えます。
 その1つとして、細胞加工製品の製造では、インプロセスモニタリング評価が重要であり、主工程(バイオプロセス)の個々のプロセスの品質特性(QA/CQA)が適切な範囲や限度内に収まるように、主要な工程パラメータ(操作/環境)の条件が制御できる適格性とともに、予測した結果が得られていることの評価が重要であり、管理戦略に含まれるべきと考えます。「細胞品質管理」の戦略と認識すべきものですが、ここでインプロセスモニタリングは、生きた細胞を製品とする細胞製造性に依存する、支援工程の一部と言えるので、各プロセスが製品品質にどのような影響を及ぼすかを予想し、予め必要な品質評価を実施できる基準を決定することが求められます。具体的には、最終製品の品質試験で製品を網羅的に評価することが困難な細胞製品では、主工程(バイオプロセス)に関わるインプットが適切に整えられ、プロセスが再現良く実施できていることの確認が重要となります。そこで、原材料やプロセスが品質に及ぼす影響を適切に制御できるように、必要なインプロセスモニタリングを実施することで、プロセスが「いつも通り」に進んでいるか否かを評価し、細胞品質が保証されない可能性を検知できることが求められます。

 

 

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