プレフィルドシリンジの製剤設計【第5回】

プレフィルドシリンジの規格及び試験方法

 今回は、製剤処方と容器及び製造方法が決まった製剤について、製造販売承認申請として作成する資料であるコモン・テクニカル・ドキュメント(CTD)の品質に関する概括内容について紹介するとともに、プレフィルドシリンジ特有の規格及び試験方法などについて解説する。

1.CTDとは?
1.1 ICHについて

CTDは、ICHの M4として決められている薬事申請のフォーマットである。
ICHは、1990年代前の時代では新薬の開発に関する各国の規制当局の考え方に基づく基準、手続き、ガイドラインが異なっており、国ごとに申請資料が異なっていた。そのために新薬が必要とされている患者の利益に反することとなるため、1991年11月にブリュッセルで日米欧の規制当局と医薬品産業側が集まり、第1回の会合が開かれた。The International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(日米EU 医薬品規制調和国際会議)という。その後、この会議の最初の頭文字3文字を取ってICH と呼ばれている。
また、平成27年(2015年)10月23日(金)にスイス法人化したときにConferenceをCouncilに変更し、現在の正式名称はThe International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)となっている。
この団体が採用したガイダンスは、加盟している各国で取り入れることを合意しているという点が、他の国際会議とは異なる大きな特徴である。

1.2 ICHにおけるトピック
医薬品の開発に当たり、充分な調和が必要な主なトピックとして、品質(Quality:Q)、有効性(Efficacy:E)、安全性(Safety:S)、複合領域(Multidisciplinary:M)の4つの分野に分かれている。各分野のガイドラインの進捗状況は、PMDAのホームページ (https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0070.html) から確認できる。

1.3 CTDとは
CTDとは、上記ICH で決められた「医薬品の承認申請のための国際共通化資料、コモン・テクニカル・ドキュメント」(Common Technical Document)の略称で、医薬品の承認申請のために作成する資料のことである。この資料は、品質、有効性、および安全性に関する資料が入るので、1.2項で示した複合領域(M)の扱いとなっている。
この資料には、更に各極で必要となる申請手続きが第1部として入り、各品質、有効性および安全性トピックの概要が入る第2部、およびそれぞれのデータを記載する第3部からできており、図1のような構成概念図が提供されている。

図1:CTDの構成概念図

1.4 製剤の品質に関する概括資料と品質に関するデータまたは報告書
プレフィルドシリンジ等のコンビネーション製品の副たる構成要素が機械器具の場合で、個別に医療機器として承認、認証または届出されている場合には、第1部の申請資料の製造方法欄に、販売名、一般的名称、製造販売業者の名称、承認番号、承認等の年月日等を記載する。また、「形状、構造及び原理」については必要に応じて別紙に記載する。機械器具が、個別に医療機器として承認等がされていない場合には、別紙に一般的な医療機器の承認書に記載される事項を記載する。具体的には医療機器の承認書の項目における「形状、構造及び原理」、「原材料」、「性能及び安全性に関する規格」および「使用方法」に相当する内容を記載する。
医薬品たるコンビネーション製品の承認申請に当たって、副たる構成要素が機械器具の場合、製造方法、保管方法および有効期間、製造販売する品目の製造所等をCTDの2.3.P.7 容器及び施栓系に関する概括資料に記載する1)。また、添付資料(STED相当、試験成績書等)等の資料をCTDの3.2.P.7 に記載する。

 

 

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