封じ込め周辺情報あれこれ【第1回】
第1回 『封じ込め周辺情報あれこれ ~抗がん剤の売上推移』
本連載記事は、封じ込め設備の設計手法および運用管理に関するものではなく、封じ込め技術の周辺情報に関するものである。封じ込め技術が現在の姿に至るまでには、一定の時間を要している。封じ込め技術は、毒性学、リスクアセスメント、空調、そして封じ込め機器などに関する多くの先人の研究・知見が結集したものといえる。そこで、本連載では、技術的な内容ではなく、関連する背景・経過など周辺情報のいくつかを紹介していきたい。
さて、高薬理活性物質を扱う封じ込め設備での医薬品の多くは、抗がん剤である。その売上がどのように推移してきたのだろうか。国内における医薬品の薬効別売上を見てみたい(なお、以下では、IQVIAジャパン(および前身のIMSジャパン)が発表してきている数字を用いている)。
- 2008年(1月~12月;以下同様に暦年)の医薬品市場規模は、病院、開業医、薬局を含めて、約8兆2500億円であった。薬効分野別では、1位が高血圧薬でその売上額は5600億円、2位は抗がん剤でその売上額は4600億円であった。
- 2012年には、抗がん剤が年間売り上げのトップに躍り出た。これ以来、第1位を維持してきている。抗がん剤の売上額は約6530億円で、伸び率が大きいのが特徴的であった。高血圧薬は6390億円であった。
- 2015年には、 医薬品全体の売上が10兆円を超えたメモリアルイヤーである。 抗がん剤は、全体の8%の8200億円であった。
- 2017年には、抗がん剤の売上額が1兆円を超えた。糖尿病治療剤が2位をしめた(5500億円)。
- 2020年には、免疫抑制剤が3位を示した(4500億円)。これ以降、抗がん剤、糖尿病治療剤、免疫抑制剤の3つがトップ3を維持している。
- 2025年には、抗がん剤の売り上げが約2兆1100億円(前年比7.1%増)となり、初めて2兆円を超えた。
抗がん剤がトップになった2012年から2025年までの売上推移を図1に示す。同図には、抗がん剤のほかに、糖尿病治療剤、免疫抑制剤も合わせて示す。なお、同図は、IQVIAジャパン(および前身のIMSジャパン)の医薬品市場統計-売上データから筆者が作成したものである1)。
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