コンビネーション製品 ~医薬品と医療機器の間で【第4回】

第4回 ユーザビリティ

さて、皆さまはお弁当に付いている醤油の小袋を開けようとして失敗したことはありませんか? 目的の食材ではなくご飯にかかってしまったり、勢い余って服を汚してしまったり。あるいは、切り口が見つからず、ようやく見つけても全く切れずに諦めてしまったり…… 。

こうした「使用上の失敗」を、製品設計の段階で可能な限り排除しようとするのがユーザビリティエンジニアリングの考え方です 。
醤油の小袋の事例を用いて、故障モード分析の視点で整理してみました。

表1:醤油の小袋における故障モード分析(例)

●ユーザビリティの指標:「有効性」と「効率」
ユーザーが製品を使用する場面を想像すると、あとちょっとの工夫で回避できる危険や不便さというものがありますよね。ユーザビリティを評価するときに、その「有効性」と「効率」という指標があります。
・有効性:ユーザーが目標を(正確かつ安全に)達成できる度合い
※上記の例では、醤油の小袋を開封してお弁当の中の目的の食材にかけること。
医薬品としての「効果効能」とは異なり、目標(例:醤油を食材にかける)を完遂できるかを指します 。
・効率 :有効性を達成するために費やす資源(時間や労力、ストレスの少なさ)
例:すぐに切り口が見つかり、スムーズに注げることなどがこれに当たります 。
医療従事者や患者さん自身が使用する医療機器においては、これらは極めて重要な要素となります 。
 

●FDAガイダンスにみる設計への反映
FDAのコンビネーション製品ガイダンス1)の中に示されている事例です。このガイダンスには、規制の適用に関するガイダンスとともに3つの事例が記載されています。プレフィルドシリンジはその中の1事例です。その中に、ユーザーニーズからインプットされた事項に対する製品設計へのアウトプットをまとめた表がありましたので、以下に示します。
私が自分の理解のために訳したものなので、正確には原文をご確認お願いします。

表2.設計インプット(ユーザーニーズ)と設計アウトプットの例(プレフィルドシリンジ)

Guidance for Industry and FDA Staff:Current Good Manufacturing Practice Requirements for Combination Products  FINAL GUIDANCE(January 2017)

プレフィルドシリンジの場合は、シリンジ内の薬液が確実に投与されるシリンジ及び針の設計(長さ、径、摺動性等)などが、ユーザーニーズから設計へとアウトプットされます。これに加えて自己投与で多用されるオートインジェクターに組み込まれる場合は、その使いやすさ、取り違え防止、また必要に応じて取扱説明書のわかりやすさなどもポイントになります。適切な保管管理のための一次及び2次包装の設計も重要です。

 

 

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