【2026年4月】医薬品品質保証こぼれ話 ~旅のエピソードに寄せて~

執筆者の連載をまとめた書籍を発刊「医薬品品質保証のこぼれ話
 

第26話:“自分事”として考える力 ― 品質を支える当事者意識 ―

・要約
国際情勢が不安定な今、出来事を“自分事”として捉える姿勢がますます重要になっています。これは英語学習のような日常の場面でも、製薬工場の品質保証のような専門的な場面でも同じです。“自分がその立場ならどうするか”と考えることで、問題の本質が見えやすくなり、より適切な判断につながります。このことは主体性を育て、予見力を高める基盤にもなります。
過日、知覧特攻平和会館を訪れた際、特攻への参加を余儀なくされ、将来の夢に自ら向き合うことさえ許されずに散っていった若者たちの無念に触れ、平和の尊さを改めて感じました。
世界の出来事も職場の課題も、私たち一人ひとりが自分事として向き合うこと。その積み重ねが組織の力を高め、品質を支える確かな基盤となっていくと考えます。

・本文
2月28日(2026年)、アメリカとイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、国際情勢は一段と不安定さを増しています。こうした出来事は、私たちの日常から遠い場所で起きているように感じられがちです。しかし、世界の不安定さは企業活動や日常生活にも影響を及ぼします。不確実性が高まる今こそ、出来事を“自分事”として捉える姿勢が求められているのではないでしょうか。

 “自分事として捉える”という姿勢は、実は日常のさまざまな場面で重要となります。例えば英語学習。近年はChatGPTなどの生成AIの普及もあり、多くの英会話系YouTuberが自身の経験をもとに、AIの活用方法を含めさまざまな英語習得の方法を紹介していますが、ネイティブの発音の仕組みなど、理解していても実践が難しい内容も少なくありません。

一方で、効果が期待できる方法もあります。その一つが、学習内容を“自分事化”することです。テキストに載っている例文は、実生活ではあまり使わない表現も多く、繰り返し練習して身につきにくいことがあります。そこで、構文はそのままに、名詞や形容詞を自分が実際に使いそうな語に置き換えて練習する。さらにAIで発音を確認しながら繰り返すことで、より実践的な学習になります。

この“自分事化”は、語学学習に限らず、組織での課題解決にも有効です。製薬工場を例にとると、例えば設備機器や製造工程で発生したトラブルに際し、品質部門の者が立ち会う場面があります。その際、「これは製造部門の問題」と距離を置くのではなく、「もし自分がライン責任者ならどう判断するか」と考えることで、原因の見え方が大きく変わることがあります。

逸脱調査でも同様です。「もし自分が製造管理責任者であればどう対応するか」という視点を持つことで、より本質的な原因分析につながります。これはすなわち、“当事者意識を持つ”ということです。もちろん、第三者として客観的に判断する姿勢も重要ですが、当事者意識を持つことにより、課題に取り組む真剣度が高まり、結果として、より適切な解決策を導きやすくなります。 

 

 

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