薬機法の本質を踏まえた総責のあるべき姿を考える【第1回】

~行政処分から学ぶ「組織の深層」と不正を生むプレッシャー~

最近ですが、医薬品における総括製造販売責任者(総責)のあるべき姿を考えるきっかけをいただきました。
本連載では、その際に考えたことをベースに、品質と安全が確保された医薬品を確実に届けるため、総責が経営陣といかに戦略的なコミュニケーションを図るべきか、その本質を皆さんと一緒に考えていければと思っています。 

第1回となる今回は、近年の製薬業界を揺るがしている「行政処分」の事例から、組織の深層に潜む課題と、総責に突きつけられている厳しい現実について解説します。

1.相次ぐ行政処分と「総責」へも拡がる厳しい視線
2021年以降、製薬業界では多発する法令違反事案により、多くの企業が業務停止や業務改善命令などの重い行政処分を受けています。 
なお、皆さまご存知のとおり、一義的に製造業者を中心に不正が行われている件がほとんどです。

ただし、ここで注目すべきは、近年の行政処分において「総括製造販売責任者の責任」にまで深く言及されるケースが増えている点です。

また、品質管理に係る業務を公正かつ適正に管理監督しなかったとして、総責の変更命令までもが下された事例も存在します。

なぜ、不正を働いている現場にいない総責まで、責任追及がされる時代となったのでしょうか。

そうです。契機は、令和元年の薬機法改正にあります。
その際に内容が盛り込まれた「法令遵守体制の整備」によって、製造管理者や総責の役割が一段と重要視されるようになりました。

もし、製造業者等の苦悩を踏まえて責任役員に意見具申していないと…。

現在、行政は、責任役員を筆頭に、製造管理者、総責の方々を中心にした組織が「異常を検知する体制があったのか」「違反を知りながら継続していなかったか」「行政への報告を遅延・秘匿していなかったか」といった、ガバナンスの中枢を厳しく問うようになっています。

その責務を総責が果たしていない場合、最悪、総責の変更命令が発せられます。

2.同じ組織における「二度目」の処分
行政処分から立ち直ろうとする企業において、最も避けるべきは「再発」です。
PDCAという観点から行くと、他者・自者問わず(PDCAのCheckの結果)大きな不備があった場合は、改善すれば良いのです。
ただし、当然ながら再発防止(是正措置)が非常に重要となります。
もし、大きなイベントが再発したのなら、適切なマネジメントが出来ていなかったと言われても仕方ないでしょう。

私もありそうで、ないことを祈っていたところですが、一度目の処分から数年後に、再び行政処分を受けた企業の事例もありました。

 

 

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