コンビネーション製品 ~医薬品と医療機器の間で【第6回】
第6回(最終回)コンビネーション製品の品質保証:医薬品vs医療機器・融合
1. コンビネーション製品とは(これまでの復習)
コンビネーション製品とは、医薬品と医療機器など、性質の異なる製品を組み合わせて一つの製品として製造販売されるものであり、例えば、プレフィルドシリンジ製剤、薬剤と溶解液を組み合わせた注射剤キット、あるいは薬剤溶出性ステントなどがあります 。これらは、投与の簡便化や医療ミスの防止といった現場の強いニーズから生まれてきました。
これまでの医療では、医療従事者が病院で薬剤を調剤・吸引して投与するのが一般的でしたが、インスリン・リウマチ薬などのプレフィルド製品化によって患者自身による「自己投与」が可能となり、患者の通院回数を減らすことができ、また、医療機関での調剤ミスや微生物汚染のリスクを大幅に低減するなど、医療の安全性と患者の生活の質(QOL)向上に大きく貢献しています 。
2. 製品開発とライフサイクルの違い
医薬品と医療機器は、その根本的な特徴の違いから、研究開発のフローや薬事申請、ライフサイクル管理のあり方が大きく異なります。医薬品の開発は、薬理活性のある化学物質の探索から始まります。いったん開発がなされ、薬効薬理や治験等の一連のデータが収集されて承認されると、その薬そのものが変更されることはほぼありません。
一方、医療機器は、医療現場のニーズをもとに「道具」としての開発から始まります。そして、現場の使い勝手や安全性向上のために、ライフサイクルを通して改良改善(アップデート)を繰り返すという特徴を持っています。コンビネーション製品の開発・品質保証においては、この全く異なる2つの「ものづくり文化」を両立させることが求められます 。

3. 品質特性の比較:医薬品容器 vs 医療機器としてのシリンジ
プレフィルドシリンジは、外筒(バレル)、ガスケット、押し子(プランジャー)、トップキャップなどから構成される容器であり、医薬品としての機能と医療機器としての機能の双方を満たすことが求められる「コンビネーション製品」の代表例です。この製品を「医薬品容器(一次包装)」として捉える場合と、「医療機器(投与デバイス・キット製品)」として捉える場合では、求められる品質特性の重点が異なります。その特性の違いを以下の表にまとめました。

4. コンビネーション製品の製品実現・規制・査察 これまでの振り返り
・リスクマネジメントとヒューマンファクターの考慮 <第3回、第4回参照>
コンビネーション製品の開発では、医薬品の品質リスクマネジメント(ICH Q9)と医療機器のリスクマネジメント(ISO14971)を統合し、科学的知見に基づき患者保護を目指す必要があります。
コメント
/
/
/
コメント