今の時代に求められるGMP監査 ~製造所と通じ合うために~【第2回】
ISO 19011に学ぶ ― 監査員に求められる「13の特質」
前回は、製造現場が監査に対して抱いている不満や要望のリアルな声をご紹介し、「敵対」ではなく「協働(Win-Win)」の監査を目指す必要性について解説しました。
第2回となる今回は、そのWin-Winの監査を実現するための「監査員個人の在り方」について考えていきましょう。
実効性のある監査を行うためには、深い専門知識や経験はもちろんですが、監査員としての「人間力(特質や行動)」が極めて重要になります。
1.ISO 19011が示す「13の特質と行動」
監査員に求められる資質について、国際規格であるISO 19011:2018(JIS Q19011:2019)「マネジメントシステム監査のための指針」では、以下の13項目が明記されています。
- 倫理的である: 公正、信用、誠実、正直で、分別がある。
- 心が広い: 別の考え方や視点を進んで考慮する(open-minded)。
- 外交的である: 目的を達成するように人と上手に接する。
- 観察力がある: 物理的な周囲の状況及び活動を積極的に観察する。
- 知覚が鋭い: 状況を認知し、理解できる。
- 適応性がある: 異なる状況に容易に合わせることができる。
- 粘り強い: 根気があり、目的の達成に集中する。
- 決断力がある: 論理的な理由付け及び分析に基づいて、時宜を得た結論に到達する。
- 自立的である: 他の人々と有効なやりとりをしながらも独立して活動し、役割を果たす。
- 不屈の精神をもって活動できる: 意見の相違や対立をもたらすことがあっても、倫理的に活動する。
- 改善に対して前向きである: 進んで状況から学ぶ。
- 文化に対して敏感である: 監査先の文化を観察し、尊重する。
- 協力的である: 監査チームや監査先の要員を含む他の人々とともに有効に活動する。
これらを見て、「こんな完璧な人間はいない」「一朝一夕には備わりそうにない」と思われるかもしれません。
私自身もそう思います。
しかし、重要なのは「完璧であること」ではなく、監査の場においてこれらの特質を強く「意識すること」ではないでしょか。
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