プレフィルドシリンジの製剤設計【第2回】

プレフィルドシリンジ(PFS)の処方設計

1.候補薬物の物理化学的性質

プレフィルドシリンジになっている薬物としては次のようなものが市販されている。

例示
・栄養輸液配合用:総合ビタミン剤、各種電解質及び糖製剤
・緊急時に繁用される薬剤:エピネフィリン、ニトログリセリン、リドカイン
・ヒアルロン酸ナトリウム製剤
・X 線・MRI 造影剤等画像診断用製剤
・エポエチン製剤
・抗悪性腫瘍ホルモン系抗癌剤
・ヘパリン生食製剤
・ワクチン
・麻薬製剤
・抗体医薬等バイオテクノロジー応用製剤

 ここでは、製剤の性能と製造性に影響しうるような、あるいは特別に設計されたような原薬の物理的化学的及び生物学的性質を特定し考察する。検討されるべき物理的化学的及び生物学的性質の例としては、溶解度、水分含量、粒子径、結晶特性、生物活性、膜透過性等が挙げられる。これらの性質は相互に関連している可能性があり、組み合わせて考えなければならない場合もある。
 製剤性能に及ぼす原薬の物理的化学的性質の潜在的影響を評価するために、製剤に関する試験が必要となる場合がある。例えば、「ICH Q6A:新医薬品の規格及び試験方法の設定」には、推奨されるいくつかの製剤研究の事例が示されている(フローチャート#3 と#4(パート2))。この手法は、「ICH Q6B:生物薬品(バイオテクノロジー応用製品/ 生物起源由来製品)の規格及び試験方法の設定」についても同様に適用される。製剤性能に及ぼす原薬の影響を調べることによって得られた知識は、必要に応じて、原薬の規格及び試験方法の妥当性(医薬品の承認申請のための国際共通化資料3.2.S.4.5)を示すために用いることができる。
 特に注射剤に用いる原薬、添加剤では、溶解性、結晶多形、微生物学的性質を確認しておく必要がある。
 原薬の粒子径は、溶解して用いる液剤では、固形製剤より影響は少ないが、溶解性あるいは親水性の低い化合物の場合には、溶解するときに表面に浮いた状態で気泡を含んでいつまでも溶解しない場合があるので、粒子径と溶解性の関係は確認しておく必要がある。
微生物学的性質は、原薬・添加物の微生物による資化されて増殖することや、原薬製造のために使用されている微生物の残存物がエンドトキシンとして検出される等のことが起こるので、管理しなければならない項目である。ICH Q6Aフローチャート# 61)等も参考になる。

2.製剤の組成、各添加剤の配合理由、安定性スクリーニング
2.1 注射剤に用いられる添加剤

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます