米国FDA/オピオイド対策

2017/07/15 ニューストピックス

※追記更新(2017.07.21)

7/14付けで米国FDAから「Timeline of Selected FDA Activities and Significant Events Addressing Opioid Misuse & Abuse」と題して、オピオイド関係についての米国FDAとしての対策経緯を示しています。
 
オピオイド(opioid)とは、簡単に言えば「麻薬性鎮痛薬やその関連合成鎮痛薬などのアルカロイド及びモルヒネ様活性を有する内因性または合成ペプチド類の総称」のことです
 
今までGMP Platformトピックとしてはニッチな話でもあり、品質に直接関わる話ではないということから取り上げませんでした薬業関連ニュース記事としてはかなり以前から取り上げられています)。
ただ、ガン疼痛治療薬としての使用は増加しており、その使用上、特に在宅治療における過剰使用等による死亡・乱用・耽溺などが発生しており、米国内では深刻な問題となっています。
 
米国FDA新長官となったScott Gottlieb氏も、就任時の所信表明の際に「オピオイド対策」を重点課題として言及しています。
 
本邦でも無視できない状況になってはいるものの、米国ほど深刻な事態には至っていないという状況かと推察しますが、同様の事態になる可能性も否定できません。
 
関係者及び興味のある方は、下記URLsの通知等をご参照ください。

●7/14付米国FDA「Timeline of Selected FDA Activities and Significant Events Addressing Opioid Misuse & Abuse」のURL
https://www.fda.gov/downloads/Drugs/DrugSafety/InformationbyDrugClass/UCM566985.pdf

●4/13付Scott Gottlieb氏「Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine report on pain management and prescription opioid abuse」のURL
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm566958.htm
 
 
ちなみに、筆者の母は末期の胃ガンで入院し、最後はモルヒネ投与で生きた廃人状態のまま、入院してから2ヵ月半後に満63歳で亡くなりました。
筆者、来年で母と同じ63歳になります。
ガンではないようですが、母の最期の姿を見ている者として、ガン患者の苦しみと人生のはかなさが分かります。
読者の中には研究者の方も多いと思いますし、大半は製薬関係の方かと思います。
良い医薬品を世に出して、病気で苦しんでいる患者さんを一人でも救済して頂きたいと期待しております。
 
 
なお、7/14付の米国FDA通知に伴い、7/14付のRAPSが「Report Calls on FDA to Adopt New Standard for Reviewing Opioids」と題して記事に取り上げています。
興味のある方は、下記URLのニュース記事をご参照ください。
http://www.raps.org/Regulatory-Focus/News/2017/07/14/28087/Report-Calls-on-FDA-to-Adopt-New-Standard-for-Reviewing-Opioids/
 
【7/21付追記更新】
7/21付のFDAnews Drug Daily Bulletinが「FDA-Sponsored Report Recommends Reassessing All Opioids, Weighing Broader Impacts in Approvals」と題して、疼痛治療としてのオピオイド処方量を問題視しています。
それにしても、記事内の“opioid epidemic:オピオイド流行(伝染?)”の表現は、結構キツイと感じます。
興味のある方は、下記URLのニュース記事をご参照ください。
http://www.fdanews.com/articles/182711-fda-sponsored-report-recommends-reassessing-all-opioids-weighing-broader-impacts-in-approvals

 

執筆者について

古田土 真一

経歴

GMDPコンサルタント(Pharmaceutical Quality Science Advisor)

1979年より田辺製薬(株)(現田辺三菱製薬)にて合成探索研究、プロセス・工業化研究、CMCプロジェクト開発、治験薬QA、コーポレートQAを歴任。2008年より武州製薬(株)にてQA/QCの管理監督。2009年より中外製薬(株)にて治験薬・医薬品のQA業務・品質システムを改革推進。2013年よりアステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)にてCMC・Supply Chain・QAの長として業務構築。2015年より三井倉庫ホールディングス(株)にてヘルスケア製品の事業開発アドバイザーとして業務構築。2015年9月より (国立研究開発法人) 国立精神・神経医療研究センター/トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部アドバイザーとして医薬品開発を、また2022年11月からジェダイトメディスン(株)の品質アドバイザーとして医薬品上市を支援中。
医薬品の開発から上市・保管・流通までを品質の側面から一貫した経験を活かし、GMDPコンサルタントとしてGood Practicesの支援依頼に対応中。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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