事例で学ぶQC(品質管理)中級講座
試験検査を覚えた、できるようになった!
次のステップとして、GMPのQC業務を目指している人は何を知る必要があるか?
実際の事例から品質確保に必要なQC業務の重要ポイントを学んでください
講演者
株式会社ミノファーゲン製薬
顧問 脇坂 盛雄 氏
日程
2025年11月28日(金)10:30-16:30
受講形式
オンライン/オフライン
開催場所
みなとみらいグランドセントラルタワー6階 シーエムプラス本社 セミナールーム
開催概要
1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円(税込)
●テキスト:開催3営業日前までにPDFデータ提供(印刷物の配布はございません)
※本セミナーの会場受講の方について
・PC、タブレット等、ご持参の上、テキストPDF閲覧にご利用いただけます。
・もしくは、必要に応じ印刷の上、ご持参ください。
●申込締切:2025年11月19日(水) 15時まで
●よくあるお問合せ一覧はここをクリック
■Web(Live配信)受講の場合:
●受講料(Webツール利用料含む):1名46,200円(税込)
1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円円(税込)
※申込フォーム内、Web受講をご選択されるとテキスト送付先住所の記入を求められますが、
同上にチェックを入れてください。実際にはPDFデータ提供となります。
●Web(オンライン)セミナー申込要領を必ずご確認ください。
■セミナーポイント
「QCは試験検査をするところ」と思われている方は多いですが、それだけではLaboratory(試験)に留まってしまいます。試験を目的と勘違いされている人や組織を見かけますが、QC(Quality Control)は品質管理であり、試験は手段なのです。確かに、試験検査ができることは大切であり、基本で最初に学ぶことですが、ぜひ、試験だけでなく、品質管理を学んでいただきたいです。
講師は、大学で有機合成をしていて、研究で採用されましたが、配属先は検査部(品質管理部)でした。日局も知りませんでした。書店で品質管理の本を見たら統計・確率の内容でした。統計・確率はとても大切ですが、医薬品の品質管理は統計だけではありません。さて、ご自身の業務に必要な試験検査等を理解した方は、QCとして次に何から学べばよいのか雲をつかむようではないでしょうか?
このような状況で必要なことはまず、何を知らなければならないかの全体像を知ることです。本セミナーも盛りだくさんになっていますが、チェックリストとしてご自分の棚卸をすることに役立てていただきたいと思っています。知っていること/知らないことを把握し、知らないことが分かれば、それを学べば良いだけです。テキスト中、読んでいただければよいところは紹介に留め、実際の事例から学んでいただけるようにします。
PMDAは試験室の指摘が多く、試験の承認書齟齬での回収も多いです。その対策として試験室管理のレベルアップをぜひ行っていただきたいと考えます。また、小林化工の健康被害の問題、QA/QCに基礎知識と経験があれば、簡単に製造の間違いに気付けていたはずです。それが出来なかったのがとても残念です。健康被害を阻止できていれば今も生産を続けていました。本セミナーに参加され学んでいただければ、問題に気付いて犠牲者を出さずに済むと思います。一人ひとりが力をつけることが国民の健康を守り、そして会社としてのリスクを回避することに繋がります。
本セミナーは試験室に関係する重要な項目を理解するために、QCの方、並びにQAの方にはぜひ知って欲しい項目を取り上げています。非常に多くの項目を紹介していますが、ぜひ、ご自分の知らないことを知っていただきたいです。そしてこれまで誰に尋ねてもはっきりしなかったQCに関する疑問をぶつけてみてください。
■習得可能な事項
・GMP省令が求めるQC業務
・年次安定性試験
・OOS/OOTの管理運用
・全梱の同一性調査
・データインテグリティ
・日本薬局方
■セミナーキーワード
無通告査察、年次安定性試験、原料の使用期限、データインテグリティ、OOS
■セミナー項目
1.GMPとは何か
1)薬機法、GMP省令、日局、通知、事務連絡などの位置づけ
2)過去問から学ぶ
3)無通告査察報告(監麻課)
4)無通告査察対応
5)リモート評価(FDAガイダンス)
6)2022年GMP事例集の2013年版との相違(主にQA&QCに関して)
・安定性モニタリング(当面の間の文言)
・代替試験法
・OOS
・サンプリング
・DI(データインテグリティ)
・洗浄バリデーションのホールドタイム
・MRAによる試験省略
・仕込み根拠
2.公定書を知る
1)日本薬局方(日局)
2)日本医薬品外規格(局外規)-なぜ改訂されていないのか
3)医薬品添加物規格(薬添規) など
3.日本薬局方改訂時の対応
1)変更時の承認書の手当
2)公定書の代替試験法
3)処方成分の出典の確認
4)添加剤に局方品がある場合の対応
4.分析バリデーションのいろいろ
1)新規分析法作成時のメソッドバリデーション
2)試験方法移管時のサイトバリデーション
3)代替試験法設定のバリデーション
4)洗浄バリデーションの試験方法のバリデーション
5)機器のキャリブレーション
6)機器の適格性評価(DQ、IQ、OQ、PQ)
7)トレーサビリィティ
8)官能検査のバリデーションとは
・注射剤の不溶性異物試験
・クリームの匂い苦情対応
5.知っておきたい統計の知識
1)バラツキの概念と分析バラツキの要因
2)95%信頼区間&許容区間
3)相関係数と回帰式
4)F検定&t検定
5)分散分析
6)OC曲線(抜き取り検査)
6.分析能パラメータ(Validation Characteristics)
1)真度(Accuracy/Trueness)
2)精度(Precision)
3)特異性(Specificity)
4)検出限界(Detection limit)
5)定量限界(Quantitation limit)
6)直線性(Linearity)
7)範囲(Range)
8)頑健性(Robustness)
7.分析方法の基本を知る
1)滴定
2)比色反応
3)誘導体の作成
4)分離分析
・GC
・HPLC
5)結晶径の違いを知る
・TG
・DSC
・X線回折
6)異物の同定
・FTIR(顕微鏡IR)
・X線マイクロアナライザー
・ラマン分光
7)分析装置を知る
8)データ処理について知る
8.OOS/OOT管理
1)OOS/OOTの考え方
2)ラボエラー
3)製造の確認
4)リテスト実施時の注意事項
5)リサンプリングの注意事項
6)EU&FDAのOOSガイドラン
7)山口県の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
8)福井県の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
9)富山県の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
10)徳島県の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
11)兵庫県の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
12)石川県の製造所から学ぶこと
13)富山県の製造所から学ぶこと
14)秋田県の製造所から学ぶこと
15)海外原薬輸入業者から学ぶこと
16)京都の製造所から学ぶこと
17)北海道の製造所から学ぶこと
18)福岡の製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
19)埼玉県の製造所から学ぶこと
20)大阪、兵庫などの製造所の第三者委員会報告から学ぶこと
21)紅麹サプリメント死亡事故から学ぶ
9.サンプリング室の管理
1)ハード面とソフト面
10.サンプリングの考え方と方法
1)サンプリングの基本的な考え方
・現場を知る
・製品を知る
・統計を知る
2)サンプリングのSOP
3)サンプリング者の研修
4)サンプリングの記録
5)試料の縮分
6)サンプリングを製造現場に任せる場合
11.生データ/記録/ログ管理
1)生データと記録
2)測定装置のログ管理
12.試験検査のレビュー
1)試験検査結果のミスを防ぐ仕組み
2)ミスの事例とその対処
13.安定性モニタリングの実施と問題点
1)要求事項(GMP施行通知)
2)室温なりゆきと25℃×60%の対応違い
3)安定性モニタリングで規格外の場合の対応(25℃×60%)
4)「当面、申請条件の長期保管条件・・・」の取り扱いについて
14.原料及び資材メーカーの管理
1)評価(新規・変更時・日常)
2)取り決め事項
3)原料及び資材メーカーの監査
15.製品品質照査の内,試験検査に関する項目について
1)試験結果の活用
2)経年低下、バラツキを工程能力指数(Cp/Cpk)&95%信頼区間からOOT管理を
3)溶出試験のOOT管理活用による製品回収回避
16.試験の委託時の取決め事項作成
1)試験の外部機関への委託
2)製造所と製造販売業者との試験委託先に対する対応
17.試薬/器具/標準品の管理
1)試薬の管理(購入試薬・調製試液)と使用期限設定の根拠
2)標準品の管理(国の標準品とのトレーサビリティ/二次標準品設定)
3)器具の管理(キャリブレーション/洗浄バリデーション)
18.試験検査者の教育訓練/認定制度とSOP
1)自前ノートの位置づけ(PMDAの指摘事項から)
2)SOP作成の深さについて
3)認定制度
19.保管方法(必要によりミニチュアの作成)
1)保管量の確認とSOP化
2)ミニチュアの作成
3)保管場所の確保
4)無駄な保管の廃止
20.ハード面のポイント
1)保管検体の増加対応
2)安定性試験室のスペース拡大対応
3)保管室の温湿度管理(温度マッピングの確認など)
4)毒薬/劇薬/向精神薬/麻薬のハード面
21.全梱包の同一性確認
1)相手先製造所の品質保証体制の確認
2)均質性の確認
3)流通段階の確認
4)受け入れ時の保証
22.均質性の確認
1)原料/製剤の均質性評価
2)受け入れ時のロット毎の均質性確認
3)縮分による均質性の確認
23.確認試験の簡便法
1)ラマン分光
2)近赤外
3)ラマン分光と近赤外の比較
4)種々の問題点への対応(アルミ包装/先行サンプル/添付サンプル)
24.PIC/Sのサンプリング数増加対応への具体策
1)具体策の作成(計画)
2)実施
3)省略
25.PMDA等によるGMP適合性調査によるGMP不備(試験絡み)
1)OOT管理不備による製品回収
2)代替試験法バリデーション不備による製品回収
3)試験漏れによる製品回収
4)原料の使用期限管理不備による製品回収
5)処方成分にない原料使用による製品回収
6)データの信頼性に関する指摘事項
・試験検査指図
・試験サンプル量の管理
・エクセルの管理
26.PMDAの無通告査察で指摘される前にQCの試験法などについての確認事項
1)承認書/日局と違う代替試験法実施時の注意
2)MFと承認書に記載されている原薬試験に齟齬
3)海外製造所の出荷試験が承認書と異なる
4)海外製剤製造所の製剤の添加剤が承認書の出典通りに試験未実施
5)原料メーカーの試験が承認書/日局と異なっていたが、原料メーカーのCOAを利用して受入試験を省略
6)原料メーカーのCOAを利用して受入試験省略を行っていたが原料メーカーが全てのロット試験を行わず一部のロット試験のみ
7)原薬メーカーの原料試験未実施
8)ある製販で24製品の回収
9)MRAを活用してEUの製造所のCOAでの試験省略する場合の不備が指摘されている
10)GMP監査での最近指摘されている項目
27.データインテグリティ対応
1)GMP省令で求めるレベル
2)PMDAのGMP適合性調査等で指摘していること
3)PIC/S DI(データインテグリティ)ガイダンス和訳の紹介
28.FDAのWarning Letter/データインテグリティ
1)Warning Letterからの指摘事項
2)データインテグリティの注意点
3)データインテグリティのガイドライン
29.QCの役割
1)試験するところだけでない/QCの使命を理解する
・原料/資材で問題を起さない(原薬の粒子径管理など)
・製品を正しく評価する(統計知識が必要)
・試験結果がどう生かされるか/生かすかを知る
2)SOPで試験できれば良いのではなく、試験原理を知る
3)効率化の視点も持つ
・原料試験の省略
・EUのMRAを活用した試験の省略
・日局標準品の二次標準品作成
・効率のよい試験データ
・OOT管理
・資材検査の省略
・不溶性異物試験の試験本数削減
30.本来の「評価する部署」としての役割にシフトする効率化
1)品質への貢献度が低い業務は勇気を持って削減する
2)GMP監査の効率化
3)試験省略の実施
4)コスト削減の視点を持つ
5)サンプリングを増やしていても品質に貢献していない場合
6)市場出荷を製造所に委託
7)効率化出来た時間を学びと検討に使い考え実践する人/組織になる
31.人が創る品質/Quality Culture(FDA)
1)Quality Culture(FDA)
2)人が創る品質
<質疑応答>
【脇坂 盛雄 氏】
■経歴
エーザイ株式会社入社後、品質企画部 統括部長、品質薬事部 統括部長、品質保証責任者など30数年に渡り従事し、2013年9月に退職、現在に至る。
■専門および得意な分野・研究
医薬品の品質管理/品質保証
■注意事項(予めご了承の上、お申込み下さい。)
【申込時】
●受講料はセミナー開催5営業日前の15時までにお振込み下さい。
●定員に達し次第、申込を締め切ります。
●最小開催人数3名に満たない場合、中止とさせて頂きます。
●講師及び当社のコンペティターの場合、受講をお断りする場合がございます。
【セミナー当日】
●名刺を以て受講券とします。お忘れなきようご持参ください。
●録音・録画(静止画・動画)行為は固くお断りします。