プレフィルドシリンジの製剤設計【第6回】

プレフィルドシリンジ(PFS)の製造バリデーション

1.バリデーション
1-1  バリデーションの背景
 1970年米国で大量の輸液剤に菌の汚染が発生し、その原因が滅菌時の冷却水が滅菌後の冷却時にすり抜け混入していたことが判明した。この事から設定された工程を確認するだけでなく、設計から確認する必要性が叫ばれ、バリデーションの概念が導入された。

a)  高温で滅菌した高温状態で通気性のあるバイアル製品は、冷却すればバイアル内は減圧となること。
b)  バイアルは、ガラスバイアルとゴム栓の密着によってシールされた密封容器であり、ゴム栓とガラスバイアルの間には、すきまが生じる可能性があること。
c)  冷却水は、必ずしも滅菌蒸留水ではないこと。したがって冷却水の中には微生物が存在すること。
d)  微生物は、条件が整えば増殖する可能性があること。
 

以上などの簡単な科学的事実を積み重ねて、論理的に考えれば予測ができ、かつ予防することが出来たはずのものである。

図―1:バイアル瓶(ゴム栓・アルミキャップ付き)
出典:モノタロウ

この様にバリデーションとは、製品品質を保証するために、原料・資材、製造環境、設備、製造条件を設定し、設定したそれらが適切であることを科学的に証明することを言う。

2.プレフィルドシリンジ製剤製造工程に沿ったバリデーションアプローチ
 ここでは、第4回で使用した図―2 無菌操作製剤を例として記述する。
まずは、製品のプロファイルを列記する。

表-1:製品プロファイル

2-1  検討する製造工程
 製品プロファイルから検討する工程と品質特性を特定する。

表-2 検討する製造工程

2-2  各工程の説明
 非発熱性については、原料・資材で抑制することが必要である。薬液や、資材からの製造工程での除去は難しく、万が一入ってきたものを洗浄で取り除くと考えるべきである。
原料や資材の製造工程において、エンドトキシンで汚染した地下水、水道水、循環使用する精製水の使用や、人手によるハンドリングが行われていないか、各原料・資材の製造元を管理する必要がある。
秤量では、原料から来るエンドトキシンが入ることから関連事項とした。また、溶解工程では、注射用水が入るために関連事項とした。注射用水システム、空調システムは、システムとしてのバリデーションを別途行う。

 

 

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