医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第76回】

国際化に対応する医薬品会社に必要なHSEとは?
「製薬工場の土壌汚染対策と注意事項」


1.製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化が進む中、製薬工場の各種取り組みが求められるようになってきました。働く人たちの健康被害が発生しないよう、企業は最善の努力をせねばなりません。製薬企業は工場の中だけがリスクの温床ではありません。製薬工場の立場は医薬品を作るという社会的立場が優先し、環境問題など起こすことはあり得ないと、信頼の上にあぐらをかいてビジネスを行ってきているのが現状です。しかし、これは悪いことでは無く、信頼に値する土壌汚染リスクをアセスメントして、優先順位の高いリスクから順にマネジメントシステムにてリスク低減を計り続けてきている製薬工場も、国内に少なからず存在しているからです。さて、この差は大変大きいのですが、社会的環境問題を起こさないで済んでいるか否かのみで判断すべきではないというのがあるべき姿ですね。本来、社会的信頼を得ることの出来る製薬工場は、土壌汚染のみならず、全ての環境課題をリスクアセスメントして、優先順位の高いリスクからリスク低減を図り、マネジメントシステムを廻している製薬工場を指しているのです。

具体的には、今回テーマの土壌汚染についてどのようなリスクが有るのか、解り安く以下に列記し、マネジメントシステムにてこれをリスク低減するプロセスについて御紹介しておきます。

・土壌汚染とは:

過去および現在の業務は化学物質等の流出により環境に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小限に抑えることが重要です 

・環境への影響を防ぐ 

図1 周囲の環境への影響

・現地内外の影響(土壌、地下水、表流水)を最小現にリスク低減する

図2 地下水汚染の調査

  ・人間の健康と生態学的影響 飲料水の供給 食物連鎖への影響 皮膚接触 などなど調査が必要。

<HSE調査要件>

  1. 化学物質流出防止 
  2. 土壌・地下水保護、修復を含む 
  3. 環境に関する規定(Global Standard)Managementシステム運用

<土壌の種類による地下水への浸透を考慮>

土壌中の典型的な水の浸透速度はどのくらいですか? 

  1. 粘土質土壌: 0.01 to 0.1 m/d・・・・・・1日あたり0.01m~0.1m浸透する
  2. 細かい砂: 1 to 5 m/d・・・・・・・・・・・・1日あたり1m~5m浸透する
  3. 砂利: More than 100 m/d・・・・・・・・・1日あたり100m浸透する!!

<環境に影響を与える可能性のある作業の種類>

  • 化学物質や原薬材料保管 
  • 地下および地上貯蔵タンク 
  • ドラム 携帯型コンテナ 資材移送作業
図3 ドラム缶等からの流出防止
  • 積み込み・積み下ろしエリア 
  • 研究・生産地域 
  • 化学合成 
  • 粉砕とブレンド 
  • プロセス廃水管理 
  • 廃棄物管理 (現地での処分 オフサイト処分)
  • 過去の産業活動履歴

上記より、土壌汚染により地下水へ浸透するスピードやその影響を考慮すると、製薬工場の仕事で土壌汚染から地下水汚染へのスピードは、Spill Control(化学物質や原薬などの漏洩)による厳格な予防が厳しく求められる。

 

 

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