【解説】健康食品GMPの実践的対応ガイド ~紅麹事案を教訓に、医薬品GMPから学ぶ品質保証体制の構築~【第6回】
【第6回】GMP体制の構築② ― 文書体系(製品標準書・基準書・手順書)の作り方
本稿は、Wellness Daily News(https://wellness-news.co.jp/)に寄稿した記事を再編し掲載します。
Wellness Daily News掲載記事(2025.11.28)『健康食品GMP実践的対応ガイド(6) 【寄稿】GMPの実践①~原材料管理から製造管理・品質管理・出荷判定まで』
前回は、GMPの骨格となる文書体系について解説しました。第6回では、その文書に基づいて行われる日々の実践的な管理活動について、原材料の受け入れから最終製品の出荷判定までの流れを追って解説します。
1. 品質の源泉:「原材料の管理」
全ての品質は、適切な原材料の受け入れから始まります。特に健康食品GMPでは、機能性関与成分の製造段階でのGMPが義務化されていないため、原材料の品質管理が極めて重要です。
- 規格適合品の受け入れ:製造に使用する全ての原材料は、製品標準書に定められた規格に適合していなければなりません。供給者から提出される試験成績書(CoA)を確認するだけでなく、リスクに応じて定期的に自社での受け入れ試験を実施し、その信頼性を検証することも検討しなければなりません。
- 保管・出納管理:受け入れた原材料は、品質の劣化や汚染、混同を防ぐため、ロットごとに適切に区分して保管し、入庫・出庫の記録を正確に取らなければなりません。これにより、製品に使用された原材料のトレーサビリティが確保されます。
- 参考品の保管:万が一、市販後に製品の品質問題が発生した場合に、原因調査ができるよう、使用した原材料のロットごとにサンプル(参考品)を一定期間保管することが義務付けられています。
2. 品質の作り込み:「製造管理」
製造工程は、まさに「品質を作り込む」ための中心的な活動です。
- 製造指図と記録:全ての製造は、製品・ロットごとに発行される製造指図書に基づいて行われ、その作業内容は製造記録として詳細に記録されなければなりません 。この記録には、「誰が、いつ、どの原材料(ロット)を、どれだけ使い、どのような操作を行ったか」が明確に記されている必要があります。
- 重要工程管理と工程内検査(IPC: In Process Control):製造工程の中でも、製品の品質に特に大きな影響を与える工程(混合、造粒、打錠など)は重要工程として重点的に管理されます。また、工程の途中段階で中間製品の品質(例えば、打錠工程であれば、重量、硬度、外観など)を確認する工程内検査を実施し、問題の早期発見に努めます。
- 汚染防止:異物混入、微生物汚染、他製品との交叉汚染を防ぐため、設備の清掃や作業員の衛生管理などを徹底します。
- 設備・計器の管理:製造に使用する設備は定期的に点検整備し、温度計や秤などの計器は校正(キャリブレーション)を行って、常に正確な状態を維持しなければなりません。
コメント
/
/
/
コメント