「錠剤の製造法とは」[第1回]
はじめに
錠剤製造は、一般的に原料の粉砕、ふるい分け、混合、造粒、乾燥、整粒、打錠前混合、打錠およびコーティングの各工程から成る。錠剤の品質の多くの部分は造粒プロセス、整粒プロセス、混合プロセスなど打錠プロセス以前の工程で造り込まれていて、これらの先行するプロセスに不具合があると、最新の打錠システムをもってしても医薬品として十分な品質を有する錠剤の製造に問題を認める場合、あるいは打錠工程の適格性を高度に検証するバリデーションが不十分なレベルとならざるを得ない場合も少なからず経験する。すなわち、医薬品の製造においては全てのプロセスが適切に設計され、維持管理されなければならない。つまり、打錠プロセス単独では先行する製造プロセスの不具合を完全にリカバーすることに限界がある1)。
そこで、本連載では、原料の粉砕から打錠およびコーティングに至る各工程での基礎と適切な設備・機械の選定およびメンテナンスに関して、記述する。[第1回]では、錠剤の製造法と粉砕およびふるい分け工程について、[第2回]は、混合および造粒工程に関して、[第3回]では、乾燥と整粒および打錠前混合工程について、そして、[第4回]は、打錠とコーティング工程に関して解説する。
1.錠剤の製造法とは
錠剤の製造法には、攪拌造粒機や流動層造粒機などを用いて、薬物を配合した混合粉体に、結合剤を含有した溶液(結合液)を滴下、または噴霧し、粉体を凝集物(湿潤粉体)とした後、造粒、乾燥、そして整粒し、打錠用顆粒とし、ここに滑沢剤を添加し、混合した後に錠剤とする湿式造粒打錠法(湿式法)。
薬物を含む混合粉体を均一に混合した後、ここに滑沢剤を添加し、二次混合した後、打錠することで錠剤を製する直接打錠法(直打法)。
薬物を含有した混合粉体を予め、大きな径の金型(杵、臼)で、錠剤とした後、この錠剤を整粒機で破砕した後に、この打錠用顆粒に、必要に応じて滑沢剤を添加した後、混合し、錠剤とするスラグ打錠法。
また、薬物を配合した混合粉体を乾式造粒機によって顆粒にした後、この顆粒に必要に応じて滑沢剤を添加した後、混合し、錠剤とする乾式打錠法(乾式法)がある。これらの錠剤の製造法フローチャートを図12)に示す。
(図1)錠剤の製造法フローチャート

本図は、片岡捷夫「≪イントロダクション≫ 打錠工程に関連する留意すべき経験事例」 薬剤学,68,No.6,435-440P(2008)の図1 錠剤製造(打錠法)フローチャート(435P)を転載した。
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