日本の製造所への米国FDA無通告査察の衝撃

・ 2025年、国内製薬業界にとって最大の転換点となったのは、米国FDAによる「海外施設への無通告査察」の全面拡大です。これまで日本企業が拠り所としてきた「事前の準備期間」という前提は崩壊し、365日24時間、いつ査察官が訪れても科学的な説明ができる体制構築が急務となっています。実際に、2025年には、複数の国内企業が、米国FDAによる無通告査察を受査した履歴が有ります。
・ 本稿では、最新のFDA査察トレンドと国内企業の指摘事例を分析し、OOSハンドリングの改善を事例に、無通告査察時代を生き抜くための品質マネジメントシステム再構築の重要性を解説します。
 
1.FDAの最新査察戦略
・ 現在、FDAはテクノロジーと新たな評価指標を駆使し、査察の質と効率を劇的に高めています。
① AIモデル「ELSA」による優先順位付け
AIモデルがリスクの高い施設を特定し、高リスク施設に現場リソースを集中させる戦略を採用しています(低リスク施設はリモート査察)。
② 品質マネジメント成熟度(QMM)の本格展開
2025年4月より、単なる規制遵守を超えた、企業の「自発的な品質向上姿勢」を評価するプログラムが始動しました。成熟度が高いと評価された施設には、査察頻度の低減などの優遇措置が検討されています。
③ 無通告査察の常態化
2025年5月以降、インドや中国での実績を背景に、日本国内でも複数の企業が無通告査察を受査したことが確認されています。もはや査察は「期間限定のイベント」ではなく、日常の管理そのものが評価される時代へと突入したのです。

 

 

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