【2026年3月】医薬品品質保証こぼれ話 ~旅のエピソードに寄せて~
執筆者の連載をまとめた書籍を発刊「医薬品品質保証のこぼれ話」
第25話:Something new?
高市内閣の解散(2026年1月23日)から僅か半月後の2月8日に投開票された衆議院選挙は、自民党が316議席を獲得するという歴史的な大勝で幕を閉じました。若い層を含め、くまなく多くの票が自民党に集まったのは、ひとえに高市政権への期待の現れでしょう。この衆院選に前後して、2月6日には“ミラノ・コルティナ冬季オリンピック”が開幕しました。メディアは連日、日本人選手の活躍を伝え、慌ただしい日々が続いてきましたが、閉幕まであと数日となり少し平常を取り戻したでしょうか。
今日2月19日は二十四節気の“雨水”。陽気により雪が雨に変わり、季節がいよいよ冬から春へと移っていく時期で、古来より田畑を耕し始める時期の目安とされてきました。実際には、まだまだ三寒四温の冷たい風に寒さを感じる日が少なくない時期ですが、草木が芽吹く春がそう遠くないことを知ると少し気持ちが和むのは、今も昔も変わりないのではないでしょうか。春は、特に4月は世の中の様々な面において節目となる月であり、いろいろな事が新たに動き出します。入学式や入社式が行われるのも4月で、新入生や新入社員でなくともその場に同席すると、新鮮な気持ちになり身が引き締まるものです。
こういった、“新たな素晴らしい何か”(場所・人・物事)に出会ったり、発見したりすると、人は心地よい刺激を受け、気持ちがリフレッシュされ、少し前向きな気持ちになれるものです。“有機合成化学の神様”と称され、“セファロスポリン”や“ビタミンB12”などの全合成を成し遂げたアメリカのロバート・ウッドワード博士は、日常、研究室のメンバーに“Something new?”と問いかけながら、研究室の中を歩かれたという逸話があります。同様に、ドイツの有機化学者ハインリッヒ・ヴィーラント博士も日々、“Etwas neues? (何か新しいことは?)と研究者に話しかけられたと伝えられています。
この“何か新しいこと”に留意することは、製薬工場における日々の活動においてもとても大切と言えるでしょう。管理者が、製造工程や機器の異常、また、改善対策が順調に進んでいるかなど、良きにつけ悪しきにつけ、“何か新しいことは?”と職員に問いかけながら工場やQCラボを歩き、現状を知ることは、品質の確保や生産の安定という点で大変意義のあることと思われます。管理者のそういった心がけが現場職員に伝播し、組織としての品質意識が向上し、ひいては逸脱や違法製造を未然に防ぐことにつながります。
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