【解説】健康食品GMPの実践的対応ガイド ~紅麹事案を教訓に、医薬品GMPから学ぶ品質保証体制の構築~【第3回】
【第3回】GMPの基本原則 ―「品質は作り込む」という思想とGMP三原則
本稿は、Wellness Daily News(https://wellness-news.co.jp/)に寄稿した記事を再編し掲載します。
Wellness Daily News掲載記事(2025.11.05)『健康食品GMP実践的対応ガイド(3) 【寄稿】GMPの基本~「品質は作り込む」という思想とGMP三原則』
前回は、健康食品GMPの全体像と責任の所在について解説しました。第3回では、GMPの根底に流れる思想と、その行動指針となる「GMP三原則」に焦点を当てます。GMPは単なる規制や手順書の集合体ではなく、品質に対する哲学そのものであることを理解することが、実践への第一歩となります。
1. 健康食品に求められる品質
GMPを考える前に、まず健康食品の特性を再確認する必要があります。
- 摂取するのは「健康な人」:医薬品が主に疾病に罹患した患者を対象とするのに対し、健康食品は基本的に「疾病に罹患していない者」が、さらなる健康の維持・増進を目的として摂取します 。
- 「期待」を裏切らないこと:消費者は、コレステロール値の改善や疲労感の軽減といった「機能性」を期待して製品を手に取ります 。この期待を裏切らないことが、健康食品の品質の根幹と考えます。
- 期待通りの効果:機能性関与成分が、表示された通りに、均一な量で含まれていること 。
- 期待以外のことが起きないこと:過剰な成分の含有や、予期せぬ異物・微生物の混入による健康被害がないこと 。
「これを飲まなければ健康被害は起きなかった」と消費者に後悔させることは、絶対にあってはならないのです。
2. 「品質は作り込む」という思想
では、どうすれば常に一定の品質を保証できるのでしょうか。ここで重要になるのが「品質は作り込む」というGMPの基本思想です。
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