「マラソン」第17回
※長らく連載をストップしており、申し訳ございませんでした。
前回の記事とともにご覧ください。
40 雨、そして迫る夕暮れ
そこまで激しい降りではないものの、雨は無情にも路面を黒く濡らしていく。
知っている方はお分かりだろうが、ロードバイクにとって雨の日の路面は足で歩いているときの「氷の上」の感触に近い。
特に側溝のグレーチングやマンホールの上などは、乗った瞬間にツルッといってしまう。
車道を走っている最中にタイミング悪く転倒でもすれば、後続車との大惨事だ。
さらに、私を恐怖させるのが「ビンディングペダル」である。
足をペダルに固定しているため、いざという時にサッと足が出ない。久しぶりに乗ると、止まる瞬間に外すのを忘れ、そのまま横にスローモーションで倒れ込む「立ちゴケ」を披露することもしばしばだ。
そんな中、慎重に、かつ急いでペダルを回す。
のんびりしていると、ゴールする頃には真っ暗闇に飲み込まれてしまうからだ。
そうこうするうちに、彦根に到着。
出発から3時間ほどだろうか、ここで一度息を入れることにした。
雨は幸い小降りになっていたが、目の前の彦根城や「ひこにゃん」には目もくれない。
観光気分など微塵もなく、私はただ、焦燥感に突き動かされるように再び漕ぎ出した。
41 北湖の洗礼とタイムリミット
ここからも、比較的フラットで走りやすい道が続く。
米原、長浜と大きな街を抜け、琵琶湖の北端はいよいよ目と鼻の先だ。
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