医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第5回】

2019/12/13 医療機器

中谷 敬

危害の重大性と発生確率の推定

対象となる医療機器についてリスク分析を実施し、ハザードから危険状態を特定したら、その危険状態に起因する危害の重大性とその発生確率のレベルを推定する。レベルの分類については、対象となる医療機器の特質に応じて、医療機器メーカがリスクマネジメント計画で決めておく必要がある。特定した危害の重大性と発生確率のレベルを推定することを「リスク推定」と呼ぶ。リスク分析による危険状態/危害の特定は、高度管理の必要な医用電気機器の場合には、非常に多項目になる。その各項目に対して、危害の重大性と発生確率を見積もる必要がある。このため、このリスクアセスメントのプロセスは、リスクマネジメントの中で、最も大きな作業量を占めることになる。

第2回の表2-1及び表2-2(https://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=5548を参照)に、リスク推定を定性的に実施した例を示した。表5-1及び表5-2には、危害の重大性と発生確率のレベルを準定量的に分類した例を示す。危害の重大性と発生確率のレベル推定の方法は、ここに示したものにとらわれる必要はなく、メーカが決めればよい。ただし、何故そのようなレベル分類によりリスクを推定したかという根拠を示しておく必要がある。
 

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執筆者について

中谷 敬

経歴 1974年、日本光電工業入社。医用センサ、生体情報計測機器の開発・設計に従事。
在職中、IEC/SC62D、ISO/TC121/SC3の日本国内委員会幹事として、医療機器国際規格の制定・改訂作業に参加。国際エキスパートとして日本コメントの作成・まとめを行い、国際会議に参加しての日本意見の反映に尽力した。
定年退職後は、コンサルタントとして独立。各種セミナー講師の他、首都圏の大学で客員教授、非常勤講師として医療機器技術、医療安全、国際規格について講義している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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