経歴 1974年、日本光電工業入社。医用センサ、生体情報計測機器の開発・設計に従事。 在職中、IEC/SC62D、ISO/TC121/SC3の日本国内委員会幹事として、医療機器国際規格の制定・改訂作業に参加。国際エキスパートとして日本コメントの作成・まとめを行い、国際会議に参加しての日本意見の反映に尽力した。 定年退職後は、コンサルタントとして独立。各種セミナー講師の他、首都圏の大学で客員教授、非常勤講師として医療機器技術、医療安全、国際規格について講義している。
2020/04/24 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第9回】
ISO 14971改訂第3版発行 医療機器リスクマネジメント国際規格ISO 14971は、2007年に第2版が発行され、医療機器業界では、この第2版に基づくリスクマネジメント実施が定着している。第3版は12年ぶりの改定であるが、内容については、本質的に大きな変更は無い。このため、これまで医療機器メー
2020/03/27 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第8回】
医療機器安全規格の分類 近年の医療機器国際規格では、安全に対して一律的な規定をするのではなく、製造業者に対してリスクマネジメントを要求することで、医療機器を安全に開発・設計・製造するという考えが基本になっている。医療機器に関する次のような国際規格に、リスクマネジメントによる安全規定が取り込まれている
2020/02/28 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第7回】
残留リスク評価のまとめ リスクコントロールが完了した時点で、リスクアセスメント(リスク分析とリスク評価のプロセス)のまとめをおこなう。通常は、特定したハザード/危険状態及び発生の可能性のある危害をリストにまとめる。このリストの項目は、簡単な医療機器でも数十項目、やや複雑な医用電気機器などでは数百を超
2020/01/31 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第6回】
リスク低減とリスクコントロール リスク評価の結果、受容できないリスクがあった場合には、そのリスクを受容できるレベルまで低減しなくてはならない。そのためには、危害の発生する確率を低くするか、発生する可能性のある危害の重大性のレベルを下げる必要がある。ISO 14971では、次の優先順位に従って、リスク
2019/12/13 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第5回】
危害の重大性と発生確率の推定 対象となる医療機器についてリスク分析を実施し、ハザードから危険状態を特定したら、その危険状態に起因する危害の重大性とその発生確率のレベルを推定する。レベルの分類については、対象となる医療機器の特質に応じて、医療機器メーカがリスクマネジメント計画で決めておく必要がある。特
2019/11/22 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第4回】
リスク分析 リスクマネジメント計画立案後の主な活動は、リスク分析、リスク評価、リスクコントロールの3プロセスに大きく分かれる。リスク分析とリスク評価の活動を合わせて、リスクアセスメントと呼ぶ。リスクアセスメントとリスクコントロールの具体的なフローを図4-1に示す。 今回は、リスクアセスメントの中で、
2019/10/18 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第3回】
リスクマネジメントの実施プロセス リスクマネジメントは、安全な医療機器を開発、設計、生産、販売するために、個別の製品に対して実施する。リスクマネジメントは、製品企画の段階から始まり、そのライフサイクルを通じて実施されるプロセスである。 医療機器の設計生産体制について規定した品質マネジメント国際規格I
2019/09/27 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第2回】
国際規格におけるリスクの考え方 医療機器リスクマネジメントに関する国際規格ISO 14971(以下単にISO 14971と記載)では、リスクを次のように定義して、リスクマネジメントを実施することを要求している。 リスク(risk):危害の発生確率及びその危害の重大性の組合せ(ISO 14971, 2
2019/08/30 AD 医療機器
医療機器リスクマネジメント-国際規格の要求事項と実践対応-【第1回】
"はじめに 医療機器については、その有効性と安全性を確実なものするために多くの規制がある。リスクマネジメントは、その規制の根幹をなすものである。次のような理由で、現在では医療機器を開発・設計・生産するためにリスクマネジメントが必須となっている。 (1) 医療機器の開発・設計・製造する事業所は、品質