ある老兵の視点【2】

「コミッショニング」と「適格性評価」


医薬品用の新しいクリーンルームを設置する際、「コミッショニング」と「適格性評価(クオリフィケーション)」という用語は混同されがちです。技術部門が担当する「コミッショニング」と、品質部門が担当する「PQ(稼働性能適格性評価)」は、どちらも新しい設備やシステムを立ち上げる際の重要なプロセスですが、「何を確認し、何の基準に基づいて保証するか」という目的が異なります。

コミッショニングは、「機械が設計通りに動くか」を確認するエンジニアリング活動であり、PQは「その機械を使って、目的とする品質の製品が常に安定して作れること」を保証するGMP活動です。コミッショニングとは、主に技術的な手順であり、通常、フィルターや気流、圧力勾配、センサー、ドア、エアロックなどのHVACシステムの試験、調整などが含まれます。その目的は、システムを、適格性評価が可能となる程度まで安定した稼働状態に導くことです。また、メーカーでの出荷前テスト(FAT)、工場での受入テスト(SAT)、配管の耐圧試験、モーターの回転確認、計器のループチェック、水やダミーを用いた試運転など、設備を安全かつ確実に「使える状態」にして、製造部門や品質部門に引き渡すことを目的とし、品質部門の厳格な承認は必ずしも必要ではなく、技術的な妥当性を検証する活動です。

PQは、実生産に用いる原料やプラセボ(偽薬)を使用し、実際の製造プロセスと同じパラメータ(温度、時間、速度など)で連続して稼働させ、サンプリングと品質試験を行い、患者の安全に直結する「品質」を保証することを目的とする活動であり、事前に品質保証部門が承認した厳格なプロトコルに基づき実施され、少しの逸脱もQAの管理下で処理される必要がある活動です。


適格性評価活動は、ユーザー要件仕様書(URS)から設計、設置、運用、性能評価を経て、使用終了に至るまで考慮されるものです。URSは、バリデーションのライフサイクル全体を通じて基準点として機能します。適格性評価ではさらに、そのクリーンルームが意図されたGMP製造プロセスに適していることを保証するために必要な、技術的および微生物学的要件を評価します。特に、すべての重要パラメータおよび重要箇所を特定し、適格性評価を行う必要があります。多くの測定は複数回実施されます。そのため、一つのプロジェクトにおいて、同じ測定結果をコミッショニングや適格性評価に流用できるかどうかという疑問がしばしば生じます。その答えは、方法論的には多くの場合「YES」ですが、規制の観点からは、条件、合格基準、文書化、データインテグリティが適切である場合にのみ可能です。

 

 

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