封じ込め周辺情報あれこれ【第4回】
第4回 『封じ込め周辺情報あれこれ ~ハザードアセスメントの流れその1』
※本稿著者によるセミナー
■2026年10月1日(木)開催
高薬理活性医薬品製造設備の封じ込め技術と洗浄のポイント
https://www.gmp-platform.com/seminar_detail.html?id=1747
これから数回にわたり、現在のリスクベースアプローチによる設計までの道筋について紹介する。大きくは、ハザードアセスメントの推移、コントロールバンディングの進展、リスクベースアプローチへの結実についてである。
さて、化学物質を摂取するとどのような影響が身体に出てくるのか、その影響の程度はどうなのかについては、かなり古い時期から人類の関心が強かったと思われる。とりわけ、食品や毒物についてはそうであったろう。経験に基づいて何らかの基準を設けて、人体に安全かどうかを見極めていたわけである(その意味では、ハザードアセスメントはずっと以前から行われていたともいえる)。
封じ込め設備で高薬理活性物質を扱う場合も同様である。プロジェクトが開始される際には、まず対象化学物質の有害性(ハザードネス)を評価するハザードアセスメントが行われる。その結果として、物質の有害性をランク付けすることが行なわれる。有害性のレベルは低いものから、極めて高いものまで広範囲におよび、しかも連続的に分布しているとされる。これではコミュニケーション上に難があるので、幾つかの階層に区分けしようとする試みがなされてきた。これが、ハザード区分である(区分に対して、Bandingという表記が使われる場合もある)。
現在では、ハザード区分は、企業によって異なっているが、4~6階層とする例が多い。そのハザード区分の推移、そして、ハザードアセスメントを科学的に行うための取り組みについて見てみたい。大きく言えば、20世紀初期にあっては、ハザード区分は主観的な用語による区分けであった。20世紀中頃までには、ハザード区分は4~6階層というのが関係者の間に普及していた。
Kobert は、1912年に20の物質(塩化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、アニリン、芳香族アミンなど)についてグルーピングした論文を発表した1)。この当時はまだLD50という指標が提唱されておらず、一定時間内での変化の程度を、形容詞・副詞を使った表現で区分けしていた。その判定はおそらく主観的なものであったろう。その時の区分は、次の4段階であった。
・速やかに致死にいたる(rapidly fatal)
・0.5-1hrの時間内において、危険な(dangerous)状態になる
・0.5-1hrの時間内において、重大な障害(serious disturbances)となることはない
・ 最小限の徴候しか見られない
AIHAは、1947年の会議にて、有害性の程度を区分する必要性から、次の6段階の用語を提唱した。さらに、AIHAは同会議で、これらの用語と当時すでに利用されていた毒性情報(LD50値)との関連付けが必要であるとの提案をした2)。
・extremely toxic
・highly toxic
・moderately toxic
・slightly toxic
・practically non-toxic
・relatively harmless
コメント
/
/
/
コメント