「マラソン」第20回
46 一番得意なはずのラン 〜灼熱の瓦解〜
フルマラソンのサブ3こそ未達だが、走力には自信があった。
何より、山で100キロ以上走れる「自足」がついている。
おまけに暑さ対策で、ランはわずか12キロに短縮されているのだ。
「キロ4分半で回せば、50分少々で終わる。これはいける!」
そう確信してシューズを履き替え、走り出した。
……が、そこにはさらなる罠が待っていた。
「足が……回るのに、重すぎる!」
バイクで酷使した筋肉に、今度は全体重が容赦なくのしかかる。
ペダルを回していたリズムのまま足は動こうとするが、一歩一歩が重い。
そして、何よりこの暑さだ。
体感温度は40℃を超えていたのではないか。
1周目(2km)はまだ良かった。
だが、2周目、3周目と重ねるごとに、私のプライドは木っ端微塵に砕け散った。
キロ4分半どころか、最後にはキロ6分を切ることすらままならない。
結局、ランだけで1時間以上を要し、ランの順位は100位以下。
ただ、先行逃げ切りが功を奏したのか、総合順位はなんとか60位代でフィニッシュした。
「トライアスロン、なんて過酷なスポーツなんだ……」
ほろ苦い初挑戦となったが、息つく暇はない。
この灼熱の死闘からわずか2ヶ月後、私を待っているのは、あの「信越五岳トレイルランニングレース 100mile」だ。
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