電気設備から始めるカーボンニュートラルへの第一歩(Scope 2削減編)

【第3回】医薬品製造とScope 2排出量削減:ECSO設計に基づく最適化と再エネ導入の具体策

Scope 1の電動化によって排出責任が移行したScope 2(購入電力)は、医薬品工場における最大の排出源です。今回は、このScope 2を削減するための「省エネ化(効率化)」と「再エネ化(転換)」の具体的な方法と、電気設備における重要事項を解説します。
 
1. 削減策その1:省エネルギー化を支える「ECSO設計」
省エネルギー化は、単に高効率な設備を導入するだけでなく、ライフサイクル全体を見据えた設計思想が必要です。そこで電気設備設計の指針として重要となるのが「ECSO(エクソ)設計」です。

ECSO設計の4つの柱

  • Energy Conservation(省エネルギー):高効率設備による電力使用量の削減。
  • Cost Reduction(コスト削減):エネルギー効率向上による電気代の低減。
  • Safety(安全性):医薬品製造に不可欠な電力供給の安定化。
  • Optimization(最適化):設備容量、配置、運転方法の最適化。

具体的なアクション(ECSOに基づく設備の選定と運用)

  1. 高効率設備の徹底導入(E & C): 照明のLED化、モーターの高効率モーターへの更新、空調設備のインバータ制御型への切り替えなど、すべての設備で高効率を追求します。
  2. 配線ケーブルの最適サイズ選定(E & O):
    • 業界団体(JCMAなど)が提唱するように、ケーブル選定を「安全な許容電流」だけでなく、「エネルギー損失の最小化」も考慮するライフサイクルコスト(LCC)視点に切り替えます。
    • 具体的には、配線ケーブルのサイズを従来基準よりも一段階太く選定することで、電気抵抗による電力損失(ジュール熱)を大幅に低減できます。この損失削減は、Scope 2排出量の削減に直結します。
  3. 電力監視とデマンド制御(O & C): EMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、電力使用量を「見える化」します。特に電力使用のピーク時を自動制御するデマンド制御を行うことで、契約電力の抑制(基本料金の削減)と最適運用を実現します。

 

 

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