医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第74回】
国際化に対応する医薬品会社に必要なHSEとは?
「高活性原薬のSDS入手先と評価、法的取扱い」
1.製薬企業のあるべき姿
製薬企業の国際化が進む中、製薬工場の各種取り組みが求められるようになってきました。働く人たちの健康被害が発生しないよう、企業は最善の努力をせねばなりません。製薬企業は工場の中だけがリスクの温床では無く、試験室(実験室、研究室、その他試薬を扱う場所の全てをここでは試験室と表現する)にもリスクがあります。試験室では多種の試薬類を日々扱っています。試薬類は製薬工場では欠く事の出来ない試験室での業務上の資財であり、これを扱う場所は試験室とその隣接する試薬保管室や、試薬棚が置かれている場所(単なる事務所だったりすることもあるが一般的には試験室内に置いて、仕事のアクセスを良くしていることが多い)になります。
さて、サプライチェーンを含む製薬工場の現場で働く従業員の皆さんの健康への影響を、物理的科学的に数字でリスクアセスメントして、リスク低減を図るシステムで運用する事で、リスク低減を図る事が求められています。その為、リスク低減を図るために重要で不可欠なのが、GHSとSDSの情報です。特にSDSでは重要な情報が満載されていますが、曝露管理上の情報として優先順位が高いのは以下の3項目です。
- CMR情報
CMRとは発癌性、変異原性、生殖毒性のある物質 - OEB、OEL情報
OEBとはOccupational Exposure Bandの頭文字
OELとはOccupational Exposure Limitの頭文字 - First aid cases情報
- その他
CMR物質のオペレーションと曝露リスク
重要課題:健康被害を防ぐ為の取扱い、保管及び廃棄に留意が必要
GMP患者様の安全 HSE: 従業員の健康安全を守る
医薬品製造を大なり小なり行う会社にとっての社会的責任・使命は、医薬品の安定供給と製品の品質確保ですが、そのための原薬や試薬のオペレーションを行うメーカー従業員の健康安全環境が守られていて初めて、社会的責任や会社の使命が達成できるのです。工場や試験課で行われている業務に使用される原薬や試薬には、従業員の方々の健康被害リスクが多く存在しています。今回は、特にその中でCMR物質の保管管理、オペレーション上行うリスクアセスメント定性評価の為の、SDS情報の重要性をクローズアップしてみたいと思います。
先ずは、原薬や試薬のメーカーで発行されるSDS情報と国際的機関のGHS情報です。 医薬品は使い方を間違えると、死亡のリスクや健康被害リスクが有ることを世界中の誰もが知っています。又、話題になりにくいのは、この医薬品を作る人々の健康にもリスクを伴う事です。これを世界中の人々が知ることも重要です。とりわけ、化学物質や医薬品のリスクについて一般人が知ることが容易なのは添付文書ですが、その原薬についてはあまり一般の方々は詳しく知らないでいるという現実があります。
少なくとも法律で求められているような情報は、世界中のすべての人々に知ってもらうよう図る事が、各国の政府や企業の重要な使命だと筆者は考えています。
それがSDSであり、GHSです。
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