ゼロベースからの化粧品の品質管理【第67回】

―ISO22716の基礎についての振り返り―

新年度を迎え前回は、会社の規則類や標準書の順守が教育されていることを考えてヒューマンエラー対策についてお話させて頂きました。ヒューマンエラーについてはもう少し深堀したいと思いますが、「品質の作り込み」の柱となっているのがISO 22716(化粧品GMP)の一方、ISO22716が制定される前にも化粧品GMPの基準があったことが知らない方がおられますので、過去の経緯と制度の背景、運用に関する基本となる事項についてお話しし、GMP体制の充実化に向けて考えたいと思います。
特に、医薬品GMPや先程触れた日本の旧化粧品GMPに比べて、要求事項の記載は極めて抽象的に書かれおり、少し分かり難い側面があります。この対応として、既に色々な先生方が話されていますので、重なる事項が多いとは思いますが、少し見方を変えて今回は基礎的な事項についてお話します。

1. 化粧品GMPとは何か?
GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で、日本語では「製造管理および品質管理に関する基準」と訳されます。GMPでは、原材料の入荷から製造、最終製品の出荷に至るすべての過程で、化粧品としての製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるための取り決めが示されています。そして、日本では、日本化粧品工業連合会(JCIA)がこの国際規格であるISO22716を自主基準として採用しています。
但し、ISO22716 を採用する以前にも日本においても化粧品GMPが定められていたことを知らない方がおられますが、各国においてもGMPの基準が設けられており、基礎的な仕組みはその時からの延長線上にあることの認識が必要です。
更に、過去のGMPは医薬品を基にして化粧品としては厳格化を少し緩めた基準であること、ISO22716はISO9001の仕組みを骨格とした基準であることは知っておくべきです。この認識を基にISO22716を見て見ると、違ったアプローチが出来るかもしれません。
●なぜISO22716が定められたのか?
2000年代以降、化粧品業界を取り巻く環境は激変しました。
国際流通の拡大: 各国でバラバラだった品質基準を統一し、輸出入の障壁をなくす必要が出てきました。
EUでの必須化: EU化粧品規則においてGMP遵守が法的義務となり、ISO 22716がその参照規格として明示されました。
外部委託の増加: OEM/ODMが一般的になる中で、委託先がどの国にあっても同じレベルの品質を維持するための共通言語が必要になりました。
 

当時は、各国の品質保証体制のレベルは様々であった状況の中で、グローバルに通じる内容であることが求められていたため、原薬から始まるGMPの基準を参考としつつも、基準としての要求事項は抽象的な表現になっています。

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます