GMP・GQPの変遷と未来を語る【第2回】

※前回内容「GMP・GQPの変遷と未来を語る【第1回】

2. 平成17年薬事法改正と「製造販売業」制度導入、承認事項としてのGMP

田中: それでは次に、平成17年の薬事法改正、まだ薬事法だった時代の話に移りましょう。この改正で特に大きかったのが、「製造販売業」という許認可制度が新たに導入され、GMPが承認と紐づく形になったことです。私は実務経験がその後であり、それ以前の状況をあまり知らないのですが、当時の大変さや、それを踏まえて現在のGQPがどうなっているのか、お伺いしたいと思います。富塚さんは平成17年改正時は本社におられたのですね?

富塚様: いいえ、その時は未だ工場でした。

田中: では、改正当時の状況はあまりご存じなかったと。本社に行かれてから、実際にGQP関係の業務、特に「製造販売業」としてやるべき内容は、その時点で既に作られていたのでしょうか?

富塚様: そうですね、内容としては既に作成されていました。

田中: 工場におられた時は実務上の大変さはなかったかもしれませんが、組織的には製造販売業の組織をその時に作られたという感じでしょうか?

富塚様: どちらかというと、本社に新しい部署ができたという形ですね。当時、ツムラも方向性がきちんと見えてきた時期でした。

田中: その時、工場のGMP部門の方が本社に行ったという感じですか?

富塚様: その時は主に研究部門の担当者がいっていました。

田中: GQP業務を行う上で、やはり工場経験なども重要だと感じますか?

富塚様: そうですね、あった方が良いと思います。

田中: 現在はどうなっているか分からないかもしれませんが、ツムラさんでは人事異動で工場と本社の間を行き来されている感じでしょうか?

富塚様: 人事制度についてはお応えできる回答を持ち合わせていませんが、私のいた頃は、工場では、QAとQCが明確に分かれていない、という指摘をよく受けていました。ただ、今から思うと、QCの中でも、各工程の担当者が決まっていて、トラブルがあると現場で一緒に考えて一緒に改善に取り組むという、まさにQAの基本的な姿勢はできていました。

田中: 本当に大切なところですね。現場の人たちとのコミュニケーションですよね。生薬の刻みなどにも携わっていたからこそ、そういった意識が生まれたのでしょうか。そういった意味で、ツムラさんの中ではQCとQAの関係は良好な感じですか?

富塚様: QCとQAが同じ部署にありましたね。以前は特にきっちり分けるという話もありませんでしたから。

田中: 確かにそうですね。最近は他の会社の話を聞くと、QCとQAが分かれてしまっているために意思疎通が取りにくい、あるいはQAの方が「嫌われ役」的な立場になってしまっている、というケースもあるようです。どうすればQAの方がQCの方や製造部門の方と良好な関係を築けるのか、考えることもあります。

 

 

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