最適なeDHRシステムに必要な6つの機能

記事投稿:マスターコントロール株式会社

多くの医療機器製造メーカーは、電子機器履歴記録(eDHR)システムを保持し、利用していると思っていますが、多くのメーカーは、まだ部分的に紙運用に依存しているため、未だeDHRが不完全な状況にあると理解しています。製造の中核部分を自動化していても、DHRのような重要な製造工程は未だ紙ベースで運用していたり、或いはシステムが切り離されて独立したままであったりします。

そのような不完全なeDHRソフトウェアシステムの例として、Island of automation化(それぞれが独立していて連携されていない状態)したシステムやアプリケーションのような製造実行システム(MES)ツールがあり、何れの場合も利用するシステムから電磁的に記録したデータや情報を印刷し、その紙と他の製造工程で作成した紙ベースの記録を統合してDHRを完成させる必要があります。レガシーMESは、MESによる自動化が為されていないすべての生産能力が、依然として紙ベースのDHRであることが多いため、不完全なeDHRシステムである可能性もあります。

不完全なeDHRシステムでは、可視性、トレーサビリティ、データインテグリティが不十分ですが、完全なeDHRソリューションは、よりスマートで迅速な製造プロセスを可能にし、医療機器メーカーは各工程で即座にパフォーマンスを向上させることができるようになります。


完全なeDHRシステムを保有しているかどうかを確認する方法
最新のMESソリューションでは、完全なeDHRを提供するように設計されています。例えば、MasterControlの専用DHRソフトウェアは、一部の工程だけでなく、製造プロセスのすべての工程をデジタルでつなぎます。これにより、メーカーは医療機器製造における最初から最後のプロセスまでのeDHR全体を容易に作成することができます。

最近のMedtech Innovation Newsに寄稿したように、MasterControl Manufacturing Excellenceのような完全なeDHRシステムは、製造プロセスのすべてのステップをデジタル化すると同時に、製造プロセスにとって重要な6つの要素を取り入れることを可能にします。

1. 電子文書化
完全なシステムは、デジタルマスターテンプレートとDHRを提供し、eDHRテンプレートと最終文書を作成するためにマスターテンプレートをレビュー、承認、実行する必要性をサポートする機能を備えています。

2. GDP(Good Documentation Practice)プロセス
完全なシステムは、データの整合性を向上させるためのGDPガイダンスシステムとして機能し、データ駆動型のプロンプトにより、製造プロセス全体の成果を向上させることができます。

3. 品質レビュー
エンド・ツー・エンドのシステムにより、すべてのステップと関係者間のやり取りをデジタル化し、例外なくGMP(Good Manufacturing Practice)文書の完全なレビューを可能にします。

4. 製品量
完全なシステムは、単一のDHRを最終プロセスまで自動化するだけでなく、医療機器メーカーが有する数千の製品バリエーションを容易に管理可能にします。

5. ソフトウェアの検証
システム全体のバリデーションを行う必要がありますが、最新のMESソリューションは、コンプライアンスを損なうことなく、ソフトウェアのバリデーションを簡素化することができます。

6. データの可視化
完全なシステムは、すべての生産データをデジタル化し、改善し、文脈に入れ、一箇所で維持します。


結論
不完全なeDHRシステムに依存すると、不完全なデジタル化、不完全なデータ、不完全な視認性が生じます。最適なエンドツーエンドのeDHRシステムにより、メーカーはFDA 21 CFR Part 820の要件に準拠しながら、生産を最適化するために必要なすべてのデータを取得し、活用することができます。

このトピックの詳細については、Med-Tech Innovation News の記事 "Why Having End-to-End DHR Is Crucial - and What It Looks Like" をご覧ください。


参照

  1. "Why Having End-to-End DHR Is Crucial - and What It Looks Like", Brian Curran, Med-Tech Innovation News, June 17, 2022.


 

著者のご紹介
Brian Curran
Brian Curranは、MasterControlの戦略的成長担当上級副社長です。Curranは2002年にマスターコントロールに入社し、MasterControlの製品開発を指揮し、拡大しました。彼は、25年以上にわたって企業および起業家的なソフトウェア開発会社の方向性をリードしてきた経験があります。CurranのキャリアはIBMで始まり、5年間、MCI、BellSouthなどのフォーチュン500企業とのコンサルティング契約を主導しました。その後、通信やウェブ解析の分野で起業したソフトウェア開発会社で、ディレクターや副社長クラスの製品管理およびマーケティングの役職を歴任しました。Curranは、情報システムに重点を置いたMBAを取得しています。


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