GMP・GQPの変遷と未来を語る【第6回】(最終回)
※前回内容「GMP・GQPの変遷と未来を語る【第5回】」
6. 改正GMP省令と近年の不正事案を踏まえた、今後の医薬品メーカーのあり方
田中: 最後のテーマです。令和3年8月から運用が開始された改正GMP省令、そして期せずして同じ時期から運用が開始された法令遵守体制の整備。一方で、少し前から特に大きな事案、死者が出た事案があり、その後も立て続けに行政処分がありました。私も前職の京都府や厚生労働省時代に、行政処分関係に携わっていましたが、見ていると、現場の方々はやらざるを得なかったあるいはやっていることの重大性を認識していなかった、あるいはそれが当然のルーティンになってしまっている、という状況などがありました。そういった状況に対し、クオリティカルチャーの話も根底にありつつも、今後どのようにマネジメントしていくべきか、富塚さんのお考えをお聞かせいただけますか?
富塚様: やはり上級経営層、経営陣がどう考えるか、ですね。
田中: 本当に責任役員の方々は、令和元年の法改正で、最終責任が明確化されました。今回の法改正(令和7年改正薬機法)では、いよいよ責任役員への変更命令、加えて品質保証責任者や安全管理責任者にも、法律上の設置義務、変更命令が可能になるとのことですが、この点についてどう思われますか?
富塚様: やはりしっかり重要性を認識していただかないと、と思っています。
田中: 本当にそう思います。私も本質的には変わっていないと感じていますがGQP省令、GVP省令も含めて、以前から責任者の設置義務はありましたし、行政処分事案ではほとんどの場合、役員の方が変わっています。だから、変更命令がなくても、実質的には自己的に責任を取られているので、そこまで変化はないのかもしれません。ただ、法律上でトップに出てくるというのは、重みを感じてもらう、抑止力として機能させる、という話だと思います。そこを皆さんが本当に理解しているのか、少し不安な面もありますね。
富塚様: 今では笑い話になりますが、以前、責任役員が法に定められた時に、社長から「うちでは誰になるの?」と質問があり、「社長だけですよ」と答えたことがあります。他の役員もいるのに、責任は社長のみなのか、と。
田中: 会社法上、代表権のある社長は義務が生じるということになりますからね。執行役員制度を取られている会社などでは、大きな会社でも(責任役員は)社長しかいない、という方もいらっしゃるようです。
富塚様: 社長が責任の重みを感じてくれたのは良かったですし、それ以降も含めて、教育訓練などは受けていただいているようです。
田中: 責任役員の方の教育訓練は非常に大変だと聞きます。まず受けていただけない、あるいは受けるにしてもどういう内容を、時間がない中でどう伝えるか、非常に皆さん困っているようです。何か責任役員の方に話した方が良い内容など、富塚さんのお考えがあれば教えていただけますか?
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