QAを助けたい【第3回】

規制の行間を読む


前回からの続き
田中: 伊井様は、厚生労働科学研究班や大阪府薬事審議会などで、規制の行間を埋めるガイドライン策定に長年携わってこられました。そうした活動のやりがいは何でしょうか?

伊井様: やはり、省令や通知だけではカバーしきれないギャップ、現場が「どうしたらいいのか分からない」と感じる部分を埋める具体的な手順や参考資料を作っていくことですね。それが成果物として公表され、世の中の役に立っていると感じられる時、モチベーションが高まりますし、喜びを感じます。

田中: 大阪府の活動は特に先進的で、我々も大変勉強させていただいています。

伊井様: こういう仕事がすごく好きだったので、家に帰ってからも趣味のような感覚で色々とやらせていただきました。参考となる資料を作っていくためには、自分自身がしっかり勉強しなければなりませんから、自身の成長という意味でも良かったと思っています。
大阪府では、PMDAがオレンジレターを出す十年程も前から同様の成果物を発出され、薬務課長と社長との面談、そして各種手順書モデルの発出等、先進的な対応をされています。大阪府は、「後出しじゃんけん」ではなく、具体的な成果物を発出していただくとの「先出しじゃんけん」の姿勢であり、大阪府は地方庁としての存在意義を大きく果たしておられ、個人的にも大阪府の活動を応援しております。

田中: 確かに、GMPやGQP、GVPのオレンジレター版のような資料を公開されていましたね。他に、どのような資料を作成されましたか?

伊井様: 数年前には、責任役員の意識改革が必要だということで、「製薬企業の責任役員の方へ ~患者さんの安心・安全を守るために~」という資料も作らせていただきました。
関薬協の理事長に作成資料を紹介したところ、非常に有益な資料とのご判断をいただき、冊子化して全会員企業に各5冊を配布していただけることになりました。

田中: 行政にいた時には、皆さん責任役員の方へ理解いただくのがすごく難しいとおっしゃっていました。

伊井様: はい。役員は、営業や研究開発出身が多く、品質・安全性の知識や経験が少ないため、そのような方に、どう分かりやすく説明するかがポイントですね。
多くの方が「役員が理解してくれない」と言いますが、その前に「分かりやすく説明する努力を十分にしているのか」を考える必要があるかと思います。

田中: そうですね。ただ、現場で、特に下から責任役員の方にお話しするのは大変ですよね。前職の時代は、行政から話をしてもらいたいというリクエストもありました。
そのため、京都府では、責任役員の方に集まっていただき困りごとをディスカッションしていただいたりしていました。
最近では、奈良県などで責任役員向けのセミナーなどされており、私も参加させていただきました。
責任役員の調査同席の通知もそうですが、このように行政の方からもどんどんやった方が良いでしょうか。

伊井様: はい。行政の方がやってくれるとありがたいです。例えば、厚生労働省が責任役員向けの説明会などをしていただくのは非常に効果的な方法と思います。やはり、行政の方から説明していただくのは重みが全く違います。

 

 

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