薬事屋のひとりごと【第7回】

「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」及び「水道法施行規則の一部を改正する省令」の公布等について

環境省のホームページより

筆者が気になる通知をひろいあげて、ひとりごとをお伝えするシリーズです。ひとりごとは読み流していただき、読者の皆さんが通知をお読みの上、しっかり内容を把握いただくと助かります。

今回は、GMPと関係ないじゃんと不機嫌な方、通知は厚労省だけじゃないんですよ。本通知は、2026年4月より水道水におけるPFOS及びPFOAに係る基準を0.00005mg/L以下に設定するという通知です。PFAS(ピーファス)とは4730種を超える有機フッ素化合物の総称で、自然界で分解しにくく水などに蓄積し、人への毒性も指摘されており、国際条約で廃絶や使用制限しています。

PFASのうち「PFOS」と「PFOA」は水や油をはじき、熱に対し安定的な特性があることから、消火剤やフライパンのコーティング剤などに使われてきました。国内でも2021年までに法令で製造と輸入を原則禁止されており、2021年の河川や地下水の調査では、31都道府県のうち13都府県81地点で暫定的な目標値を上回る高い濃度が検出されました。2025年1月28日には、岡山県吉備中央町の住民を対象とした公費による血液検査の結果、PFASの血中濃度平均が、当時の米国基準の7.6倍に、2025年10月7日には、大阪府の公園の水から目標値の3倍超えのPFASが検出されたニュースが報じられ、地方自治体レベルでの公衆曝露リスクへの懸念が全国的に高まっています。

欧州ではどうでしょうか。2025年9月24日、欧州委員会は、水質汚染物質リストを更新するための欧州議会および理事会との暫定的な政治合意が成立したことを公表しました 。この合意に基づき、水フレームワーク指令(WFD)、環境質標準指令(EQSD)、および地下水指令の3つの主要なEU水法制が改定されます。しかし、欧州のPFAS規制動向は複雑です。2023年に実施された利害関係者から5,600件を超える科学的・技術的な意見を精査し、一部の国が2025年8月20日に改訂版をECHA(European Chemicals Agency)に再提出しました 。包括的な普遍的禁止(RO1)を目指しつつも、代替が困難な戦略的産業においてはリスク管理を伴う継続使用(RO2/RO3)を許容する。

 

 

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