コンビネーション製品 ~医薬品と医療機器の間で【第1回】
私は株式会社シーエムプラスへ入社して2年目の森川実千代と申します。前職では医療機器の会社に勤め、その中でも、自社で開発・製造する医療機器に医薬品を充填するCDMOを行う工場で、製造管理・品質管理に携わっておりました。その中でQAとして、コンビネーション製品のQMS・GMPに関する業務を行ってまいりました。
今回は、コンビネーション製品を扱う中で、医薬品と医療機器の間に挟まって、いろいろと感じたことを紹介したいと思います。
コンビネーション製品は、医薬品と医療機器など、性質の異なる製品を組み合わせて、一つの製品として製造販売されるものです。例えば、注射剤が内蔵された医療機器ペンやプレフィルドシリンジ製剤、薬剤と溶解液を組み合わせた注射剤キット、あるいは薬剤溶出性ステントなどがあります。これらは、投与の簡便化、医療ミスの防止などのニーズから生まれてきました。喘息の吸入器やインシュリン・リウマチ薬のプレフィルド製品化によって自己投与が可能になり、患者さんの通院回数を減らすことができました。また、医療機関での調剤ミスや菌汚染を減らすことができ、医療安全性にも貢献しています。また、デジタル技術との統合により、患者の服薬状況や治療効果を追跡する機能を持つコンビネーション製品も期待されています。このように、例えば薬剤のもつ有効性と医療機器のもつ機能性など、双方のもつ特徴を合わせて、医療関係者や患者さんに優しい医療製品であることを目指している医療製品です。
コンビネーション製品は、その定義は日米欧で少し異なりますが、主な作用機序が医薬品なのか、医療機器なのかで分類を分けるのは共通です。
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