中国:製剤輸入を推進する政策を発表(2018年6月)

2018/06/22 製造(GMDP)

余 知暁

2018年5月1日から実施されている抗がん剤の輸入関税ゼロ化(参考:『【速報】中国、抗がん剤の輸入関税ゼロに!』)に次いで、日本を含む海外各国から中国への製剤輸入を推進する政策が発表された。
 
6月20日、中国国務院総理の李克強は国務院常務会議を主宰し、いち早く品質の良い医薬品を国民が使用できるように、以下事項を決定した。
 
一、海外製新薬の中国輸入審査承認の期間短縮
すでに海外で市販された製品の国内での審査を加速する。一部の希少疾病用医薬品、生命を脅かす重篤な疾病の予防・治療用医薬品について、市販承認を簡潔にし、海外で獲得したすべての研究資料を利用し申請することができる。且つ、当局がそれぞれ、3カ月、6カ月以内に審査を完了させるべき。また、輸入化学医薬品に対しては、市販前の登録における品質試験から、市販後の監督における抜き取り検査に変更する。
 
二、抗がん剤の価格低減
抗がん剤の値下げを加速する。医療保険リストに収載された抗がん剤について、各省(区、市)は専門的な入札を実施し、調達する。医療保険リストに収載されていないユニークな抗がん剤については、医療保険リスト収載に関する交渉を実施する。国家医薬品集中調達を試行し、医薬品価格の著しい値下げを実現する。
 
三、不足する医薬品の供給確保
不足する医薬品について供給の安定性モニタリングとアラートを実施し、不足する医薬品と原薬の製造中止について届け出制度を実施し、在庫量を増加することより、患者への医薬品供給の安定性を確保する。
 
Source:中華人民共和国中央人民政府
http://www.gov.cn/premier/2018-06/20/content_5300003.htm
 

執筆者について

余 知暁

経歴 株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。 PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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