玄人好みの空調技術【第4回】
第4回 クリーンルームのいろは②
【復習クリーンルームの4原則】
クリーンルームを維持管理するのに大原則があったと思います。
皆さまはもう分かっていますよね。
クリーンルームの4原則(微妙に皆さんの知ってる言葉と違ってるかも。それはお許しを)

クリーンルームに塵埃を、持ち込まない、発生させない、溜めない、すぐに取り除く。
当たり前のことですね。個々の意味は玄人は分かっていると思うので、これ以上の言及はやめておきます。
でも、製品を作るためのクリーンルームなら、これは清浄度だけの話しではなく、製造する製品に合わせた原則が必要になってくるってことは、この玄人好みシリーズを読んでくれている読者の方はもうご推察ですよね。
その通りです。高品質な製品を製造するには、原則は清浄度だけではありません。
医薬品製造で最も排除すべきは虫と菌です。
なので、防虫管理や菌管理がとても重要です。
虫も菌も入って来たら増殖していきます。溜めないどころか増えちゃう。
なので、入らないようにすることも重要ですが、増やさない、排除するといった管理がとても重要になります。
これは食品も同じ。
なので、医薬品や食品を製造するクリーンルームでは、清浄度の4原則に加えて、虫や菌に対する衛生管理上で4原則を考えることが大切になります。
以下、菌に注目して、具体的な装置や施策を挙げるとともに、どのような関係になるのか架空のクリーンルームフロー図を示します。
※AL(エアロック)、AT(エアタイト)、SAT(セミエアタイト)

①~④に書いた内容や、フロー図の部屋構成の過不足はご容赦ください。
菌は、単独で飛んでいるというよりは塵埃にくっついていることがほとんどなので、塵埃が入ってこない対策が必須です。それに加え、更衣や消毒・殺菌、温湿度管理、浮遊菌や付着菌の管理、定期除染に清掃・清拭といった室内で発生させない、増やさない、排除するといった衛生管理がとても重要になりますよね。
じゃあ、半導体は清浄度管理だけでよいのでは?
と思ったりするかもしれませんが、実はそうではありません。ケミカル物質に対する管理が清浄度と同じように重要です。(前の回を読んでね)
なので、ケミカル物質に対しても4大原則をあてはめないといけない。
エアワッシャーなどを用いて導入外気に含まれる水溶性のケミカル除去を行う。
あと、中に入る人は化粧も整髪料も貴金属もダメ。
自動化して人の介入を減らす。
クリーンルームで使う材料は化学物質の脱ガスが少ない、あるいは無いものを使う。
循環系の空調にケミカルフィルターを設置して化学物質を除去。それに換気と局所排気。
架空のフロー図を作ると以下のような感じかと。これも色々とご意見があるかもですが、ご容赦を。

※FFU(ファンフィルターユニット)、AS(エアシャワー)
半導体の製造工程ではクリーンルームに対策をするとコストや消費エネルギーが増えるため、どんどん製造環境については製造装置内で対応するようになっており、ミニエンバイロンメント化が進んでます。4原則も製造装置内だけに適用できるようになれば、クリーンルームに係る消費エネルギーも大幅に減ってくるんだろうな。
いつになったら普段着で入れるクリーンルームができるんだろう。。。
で、最後に宇宙船。宇宙船!?

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