【2025年9月】医薬品品質保証こぼれ話 ~旅のエピソードに寄せて~

執筆者の連載をまとめた書籍を発刊「医薬品品質保証のこぼれ話

 

第19話:相手の気持ちに寄り添うことの大切さ!

7月20日(2025年)に投開票が行われた第27回参議院選挙は自由民主党(自民党)の惨敗に終わりましたが、今回の選挙ほど開票前に結果(自民党惨敗という)を明確に予想できた選挙はこれまでなかったのではないでしょうか。物価高に苦しむ国民の気持を汲み、消費税の減税や社会保険料の負担軽減を叫ぶ野党各党の提言に対し、自民党は“消費税に替わる財源”の確保を課題として突き付けるなど、真摯に耳を傾けない。その一方で、“裏金づくり”の問題に対して未だ納得のいく対応を示さず、他党が禁止している政治献金についても、“廃止より公開”などと詭弁ともとれる持論を主張し続けてきました。

この自民党の一連の対応を“国民がどう見ているか?”、ということにもう少し思いを馳せることができれば、選挙はもう少し違った結果になっていたのではないでしょうか。野党のいう消費税減税や社会保険料の軽減策などを、形を変えて政策として提示するなど対策方法はいくらでもあったはずです。そうすることにより、国民の自民党に対する負の感情を少しは抑えることができたと思われます。要するに、今回の自民党の惨敗は、“国民の気持に寄り添うことができなかった”ことが最大の原因と推察されます。それにしても、自民党はどうしてここまで“裸の王様”状態になってしまったのでしょうか。

“相手の気持ちに寄り添う”ことが重要なのは、勿論、政治の世界だけではなく、我々がこの世の中において健全かつ円滑に社会生活を営むためにあらゆる場面で求められます。企業など組織における良好なコミュニケーション、趣味のグループにおける円満で愉快な関係、友人との良好な関係、さらには家族間の絆、こういった“諸々の人間関係”を良好な状態で維持するためには、すべからく、“相手の気持ちに寄り添う”ということがとても大事になってきます。これができないと、上述のような如何なる人間関係にも支障が生じる可能性が高くなり、ひいては、コミュニケ―ションに乏しい活力に欠ける組織など、望ましくない状況を招くことになります。

企業組織について言えば、特に、管理者と一般社員の関係において、立場の上の者(上司)が下の者(部下、或いはメンバー)に対して、“相手の気持ちに寄り添うこと”はとても大切になります。必要以上に丁寧に接する必要はありませんが、言葉遣いや態度には一定の配慮が求められます。上司のちょっとした不用意な言葉遣いや態度が、部下を不愉快にさせモチベーションを下げるといったことは珍しくありません。その場の雰囲気や業務の状況など様々な要因に配慮し、慎重に対応する必要があります。これは上に立つ者の宿命であり、組織運営を円滑に推進する上においてとても大切なことと言えます。ちなみに、ある程度の規模の大きい組織になると、日常的にパワハラを行うような横柄な上司(本人は気づいていないことが多い)も一定数いると思われますが、この種の管理者は今の社会ではいずれ通用しなくなるでしょう。

上に述べたことは、企業だけでなく、公的機関、福祉施設、学校・大学、病院などどんな組織においても同様に言えることです。一方、趣味やボランティアなど、基本的に上下関係のない組織・グループにおいても、 “相手の気持ちに寄り添う”ことが重要であることは言うまでもありません。上下関係がなくても、その組織やグループの活動を円滑に進め、メンバー相互の円満な状況を維持するために、各自がこのことに留意することはとても大切です。一人でも、こういったことの大切さに気づかず、配慮の足りないメンバーがいると、日常的に不協和音が生じ、これがメンバーのストレスにもなり、その状況が続くと少しずつ組織が疲弊し、活力を失い、ひいては業績や成果といったものにも影響が出てくるでしょう。

 

 

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