洗浄バリデーションの基礎と実践

2025/04/27 製造(GMDP)

GMP(医薬品) FDA(医薬品) PIC/S EU-GMP バリデーション

残留許容値、DHT/CHT、サンプリング、回収率に関する基礎知識
実務者として知っておくべき最近の動向、実務上お困りの点について解決できる力を養います!

講演者

医薬品GMP教育支援センター
代表 高木 肇 氏

日程

2025年7月11日(金)10:30-16:30

受講形式

オンライン

開催場所

Web(Liveオンライン配信)

開催概要

●受講料:1名44,000円(税込)
       1社2名以上同時申込の場合,1名につき33,000円(税込)
●申込締切:2025年7月3日(木)15時
●講演資料:PDFデータにて配布いたします
よくあるお問合せ一覧はここをクリック
Web(オンライン)セミナー申込要領を必ずご確認ください

■セミナーポイント
 高薬理活性薬の上市増加の他、収益確保のための品目追加スパイラルに陥った後発医薬品企業は少量多品種構造となり、交叉汚染リスクに関わる行政の注目度は高くなっている。例えばPIC/Sからは「共有設備内の交叉汚染に関する備忘録」等が発出された。また洗浄バリデーションの残留許容値の設定について、毒性データに基づく健康ベース暴露限界値(HBEL)が要請され、EMAの「共用施設における健康への影響に基づく曝露限界の設定ガイドライン」、ASTM3219-20、ICH Q7Mガイドライン等も発出された。とはいえ、HBELの算出は容易でない。またスワブサンプリングの仕方や回収率テストの手法等の発表例は少なく、実務者は多くの疑問を抱えおられるのではないであろうか。
 本講は、洗浄バリデーションの実務者として知っておくべき基礎知識と、実務者が抱える諸課題について、演者の経験を踏まえつつ一緒に考えていこうという講座である。

■習得可能な事項
・医薬品品質システム(PQS)、汚染管理戦略(CCS)とは
・残留限度値の設定の最新動向
・毒性学的懸念の閾値(TTC)とは
・各種洗浄剤の特徴
・スワブサンプリング法、リンス法での留意点
・回収率テストの実施例

■キーワード
健康ベース暴露限界値(HBEL)、ホールドタイム(DHT/CHT、SDT/ SHT)、汚染管理戦略、洗浄剤、回収率テスト、毒性学的懸念の閾値(TTC)、ICH M7ガイドライン、Worst case Location

■セミナー項目
はじめに

1.交叉汚染リスクへの対応が注目されている
 1)最新GMPが求める医薬品品質システム(PQS)とは
 2)現実世界には品質リスクマネジメント(QRM)が必要
 3)汚染管理戦略(CCS)が必要
 4)交叉汚染対策に関する査察時の指摘ポイントを知る(PIC/S備忘録PI043-1)

2.洗浄対象物に思い込みをしない
 1)洗浄バリデーションは専用設備でも必要
 2)原薬供給業者が変われば不純物も変わる
 3)設備材質からの溶出物・浸出物も要注意
 4)洗浄剤、微生物も洗浄対象
 5)乾燥終了までが洗浄バリデーション 
 6)CCSの一環として洗浄バリデーションマスタープランを策定

3.ダーティホールドタイム(DHT)とクリーンホールドタイム(CHT)
 1)長期間保管後に再洗浄すれば良い?(洗浄対象物が変わっているかも)
 2)CHTを実機で設定できる?
 3)ヒトがいれば発塵する
 4)スモークスタディの要請
 5)環境モニタリングデータの精度は低い
 6)床、壁の残留許容値はどう考える?
 7)分析機器のキャリーオーバーに注意

4.残留許容値の設定
 1)残留許容値の考え方の歴史
 2)FourmanとMullin論文が一世を風靡
 3)0.1%基準、10ppm基準の問題点
 4)投与量基準から毒性発現量基準へ
 5)そもそも毒性とは
 6)ISPEのRisk Mapp(Baseline Guide)の論点とADE
 7)EMA(欧州医薬品庁)ガイドラインとPDE
 8)ASTM E3219-20のHBELの計算式
 9)HBEL(毒性発現量基準)の設定は専門知識が必要
 10)HBELに関する動向

5.不純物・分解生成物の限度量
 1)ICH Q3ガイドラインの問題点
 2)遺伝毒性不純物はどう考えるか
 3)ICH M7変異原性不純物ガイドライン
 4)私見によるまとめ

6.微生物(発熱性物質)の残留許容値

7.洗浄剤の残留許容値
 1)LD50を用いることの議論
 2)各種洗浄剤、溶剤の紹介

8.洗浄剤と自動洗浄(CIP)、手洗浄(COP)の留意点
 1)配管のCIPで留意すること
 2)スプレー装置で留意すること
 3)Worst case Location
 4)デッドレグは短く
 5)COPの留意点

9.サンプリング方法の留意点
 1)スワブ法の問題点
 2)サンプリング箇所の設定
 3)どこからどれ位サンプリングするか
 4)接薬表面積の算出例
 5)その他のサンプリング法と問題点
 6)TOCによる残留確認
 7)サンプルの安定性に留意(Sampling Delay Time、Sample Holding Time)

10.回収率テスト
 1)回収率テストの例
 2)回収率の計算

11.査察時の指摘事例

<質疑応答>
 



■関連法規、ガイドライン
・PIC/S-GMP Annex 1 (改正ドラフト)
・PIC/S-GMP 第三章、第五章
・PIC/S-GMP Annex15
・共有設備内の交叉汚染に関するPIC/S備忘録(PI043-1)
・共用設備における交叉汚染防止のためのQ&A
・原薬GMPガイドラインQ&A
・USP) chapter. <1116>
・Fourman,G,,&Mullin,M,,“Determining Cleaning Validation Acceptance Limits for Pharmaceutical Manufacturing Operations”,Pharmaceutical Technology,April 1993,www.pharmtech.com
・ISPE  Baseline Guide RISK Mapp(第2版)2017年 
・EMA「異種製品を共用設備で製造する際のリスク特定に用いられる健康への影響に基づく暴露限界に関するガイドライン」
・ASTM E3219-20
・ICH Q3ガイドライン
・ICH M7ガイドライン(潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドライン)
・日本薬局方
 



【高木 肇 氏】
■経歴
 元塩野義製薬株式会社製造本部次長
 経口剤の連続生産技術開発や凍結乾燥注射剤の工業化検討、無菌製剤棟の構築プロジェクト遂行、アンプル注射剤・点眼剤製剤包装一貫工場の工場長、中国を始め国内外関連企業への技術支援業務に従事。
 退職後は国内および台湾の後発医薬品・医薬部外品・健康食品企業の技術支援、ならびにGMP関連書籍の執筆、講演活動を実施。                   
 出版物として「凍結乾燥のバリデーション」(共著)、「GMP・バリデーション事例全集」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ製品標準書作成マニュアル」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ 実務者のためのバリデーション手法」(共著)など多数。
 



■注意事項(予めご了承の上、お申込み下さい。)
【申込時】
●受講料はセミナー開催5営業日前の15時までにお振込み下さい。
●定員に達し次第、申込を締め切ります。
●最小開催人数3名に満たない場合、中止とさせて頂きます。
●講師及び当社のコンペティターの場合、受講をお断りする場合がございます。

【セミナー当日】
●受講券はございません。名刺をお忘れなきようご持参ください。
●録音・録画(静止画・動画)行為は固くお断りします。
●講義中のパソコン・携帯電話等の使用をお断りします。

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