医薬品製造業者にとってのBCM(事業継続マネジメント)【第3回(最終回)】

はじめに
 読者の皆様は、ISO(国際標準化機構)の国際規格として、品質マネジメント(ISO9001)、環境マメジメント(ISO14001)ならびに労働安全衛生マネジメント(OHSAS18001)をご存じだと思います。そして、昨年(2011年)6月15日、エネルギーを使用するすべての組織に適用されるマネジメントシステム規格として、ISO50001:2011が制定・発行されました。さらに本年(2012年)5月15日に、事業継続マネジメントシステムの国際規格としてISO22301:2012が正式発行されました。世界は今、70億人の人口と新興諸国の急速な経済発展、それに伴う資源・エネルギー需要の急騰、そして加速する地球環境の悪化に遭遇しており、われわれ人間そのものの生存を危うくするリスクを増大させています。そのような観点から、エネルギーの有効利用はますます重要になると考えます。ISO50001の概要は別の機会に譲るとして、ここでは、事業継続マネジメントシステムISO22301について、その概要を解説します。
 
1.ISO22301とは?
 a)国際規格
 これまで事業継続の規格として、英国のBS25999が展開されてきましたが、経済活動のグローバル化に伴い、国際的な標準化が求められるようになり、2008年から国際標準化作業が行われてきました。その国際規格がISO22301:2012 (Social security-Preparedness and continuity management system)です。ISO加盟国のうち40か国以上が参加して、世界の事業継続のベストプラクティスを集約しています。
 
 b)要求事項
 組織の規模や業態を問わず、企業だけでなく、公的機関や非営利(NPO)または非政府組織(NGO)など全ての組織が対象になっています。組織がBCMを導入し運用する際に、実施すべき項目が要求事項として明示されています。この要求事項規格は、導入に当たって実施すべき項目の確認や、導入後のBCM体制の自己点検や内部監査にも使用することができます。

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