ASEAN薬事規制とASEAN CTD(ACTD)作成のポイント【第8回】

2015/06/29 製造(GMDP)


 
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1.一般的事項
 PART IVは、臨床試験に関する資料である。このパートはセクションA~Fの6つに別れ、それぞれA;目次、B;臨床試験概要、C;臨床試験のまとめ、D;全臨床試験の一覧表、E;臨床試験報告書、F;参考文献から構成されている。また、このパートは、ジェネリック薬、マイナーバリエーションそして一部のメジャーバリエーションでは不要である。その他にもPART IV を必要としない条件があるので当該国の規制当局に確認することが好ましい。PART IV もPART IIIと同様に、臨床試験結果を 図表などを使って試験内容と結果を審査官がわかりやすいようにまとめられているのであれば特にガイドラインに示されているような様式にこだわる必要はない。
 

2.ACTD PART IVの内容 -セクションBについて-
 PART IVはセクションAの目次に続き、セクションBに「臨床試験の概要」について記載する。このセクションは、ACTDによる薬事申請の中で臨床試験に関わる全体の概要を審査官に簡潔に理解してもらう目的がある。加えて、審査官に臨床試験全体内容についてレビューをしてもらうという点で重要なパートとなっている。このセクションでは次のような内容を盛り込むことが好ましい。
 

・臨床試験設定の根拠を含めた試験全体の概要と目的
・GCPに従った試験の質の確保について
・試験を実施する上での重要な制限、例えば対照薬がない、患者の情報が少ない、
 併用薬がある、などと言った点を含む試験結果の概要
・提案される投与量、用法・用量あるいは処方の有用性とリスク低減策等の有効性や
 安全性に関わる部分の根拠と臨床試験結果に基づく有用性とリスクについて
・臨床試験による有効性・安全性に関わる特記事項およびそれをどのように評価し、
 解決したかという点について
・試験を終了した時点で残された課題とそれらが承認の障害とならない理由および
 対応策等について
・処方に対する説明

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執筆者について

小出 倫正

経歴 東京理科大学 薬学部卒
薬剤師
Vファームコンサルティング株式会社 代表取締役。
大学卒業後ライオン株式会社にて約25年間、医薬品を中心とした製剤開発研究に従事。その間、米国に留学して学位を取得した。
その後、同社、薬事品質保証部長、学術部長を経て退職後、国内外のコンサルタント会社や大学等と連携し、ASEAN地域の中でも特にベトナムを中心とした薬事申請書の作成・アドバイス等を行うコンサルタント業を開始し、現在に至る。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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