ラボにおけるERESとCSV【第138回】
FDA 483におけるデータインテグリティ指摘(108)
7.483における指摘(国内)
前回より引き続き、国内企業に対するFDA 483に記載されたデータインテグリティ観察所見(Observation)の概要を紹介する。
■ NNNNN社 2025/2/21
施設:原薬工場
査察官:Matthew Casale
■ Observation 2
ラボにおいてサンプル調製に使用するワークシートの発行管理がおこなわれておらず、あるサンプル調製に対し複数のワークシートを発行できてしまう。
★解説
製造や試験において使用するブランク記録用紙を製造や試験の従事者がコピーできると、不都合な記録や書き損じ記録を破棄し新たなブランク記録用紙に記録しなおすことができてしまい、そのような可能性が指摘される。MHRA(英国医薬品庁)、WHO、FDA、PIC/Sのいずれのデータインテグリティガイダンスにおいても、このような不正を防ぐよう記載されている。
ブランク記録用紙の管理ポイント
① 記録部署が発行しない
③ 記録部署による破棄を防止
✓ 記録部署が作成してもよいが
② 記録部署によるコピーを防止✓ 記録部署が発行してはいけない
(記録部署が作成しQA等が発行署名する等の管理は問題ない)
(記録部署が作成しQA等が発行署名する等の管理は問題ない)
③ 記録部署による破棄を防止
ブランク記録用紙管理の一例
① GMP作業を行わない部門が記録用紙を用意しGMP作業部門に送付する
② 送付する記録用紙の各頁に、頁番号、総頁数、送付者のサインを記入しておく
③ GMP作業完了時に、送付した全記録用紙を送付部門が回収し、全数回収を確認する
上述したブランク記録用紙発行の管理例では、各ページに発行者や送付者がサインを行うようになっている。ブランク記録用紙を多数発行する部署にとってはこのサイン記入は相当な負荷となる。そのため、色々な工夫がなされているので以下にそれらの例を紹介する。
A) 打ち抜き機の活用
各ページにサインする代わりに打ち抜きを行う。打ち抜きのイメージを図138-1に示す。(あとから用紙を追加し打ち抜きを行うと、穴位置がずれるので不正を発見できる)
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