【解説】GMP調査から読み解く「GMP適合性の本質」【第5回(最終回)】


※本稿著者によるセミナー
■2026年6月12日(金)開催
GMP査察対応者養成講座
~国内の実地調査対策と指摘事例から学ぶ~
https://www.gmp-platform.com/seminar_detail.html?id=2781

 

【第5回(最終回)】
監視指導の変遷が問いかける「品質文化」の展望

4回に亘りGMP調査要領の変遷から薬機法改正の核心、そして現場で繰り返される不備の構造的要因までを解説させていただきました。
最終回となる今回は、これまでの歩みを踏まえ、目指すべき「品質文化(クオリティカルチャー)」について考えたいと思います。

1.「隠せない時代」への完全移行
令和8年(2026年)4月の調査要領改訂は、業界にとって象徴的な転換点と考えます。

  • 調査結果が「適合」であっても、その事実がPMDAのウェブサイトで公表されるようになります。
    これは、GMPの遵守状況が企業のGMP状態が白日の下にさらされ、信頼性を担保する客観的指標となったと考えます。
  • PMDAの新たな情報システムにより、全国の指摘事項が即座に共有されます。そのため、よりPMDAと都道府県が平準化した調査、そして必要な場合は、指摘がされる時代となるでしょう。

2.「形式的な適合」が招く最大の経営リスク
これまでの連載で見てきた通り、多くの不備は「手順書がない」ことではなく、「手順と実態が乖離している」ことや「科学的な妥当性を欠いた恣意的な判断」に起因しています。
逼迫した生産計画やリソース不足を理由に、現場が「辻褄合わせ」の記録作成(DI不備)や、根拠なき規格外(OOS)の棄却に手を染めてしまう。
そして、それをQAや経営層が検知できない、あるいは黙認してしまう。
こうした組織の歪みは、無通告査察によって露呈し、取り返しのつかないレピュテーションリスク(評判被害)を招きます。
今、経営層に求められているのは、単なる「コンプライアンスの遵守」を叫ぶことではなく、「品質のために正直にミスを報告した人間が、決して損をしない組織」を構築するということではないでしょうか。

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます