「錠剤の製造法とは」[第3回]
はじめに
「錠剤の製造法とは」[第2回]では、混合工程および造粒工程について解説した。
寺下ら1)は、撹拌造粒を用いて結合剤の溶液添加と粉末添加による造粒のメカニズム、錠剤品質特性などについて検討した。実験に用いた処方は、乳糖200M、結晶セルロースPH101、L-HPC LH21をそれぞれ72.0%,19.0%,9.0%の組成で、結合剤にはPOVACOATを溶液添加と粉末添加の二通りで行った。POVACOATは外割で3.5%、溶液は10.4%水溶液で添加した。造粒には、高速撹拌型造粒機[全容量25L(SPG-25型、ダルトン)]を用いた。造粒物の乾燥には流動層乾燥機(MDD-400、ダルトン)を使用した。乾燥後、整粒機(P-3、ダルトン)を用いて整粒した。滑沢剤混合は、V型混合機(V-5、ダルトン)で行った。打錠はロータリー式打錠機(HT-P18、畑鉄工所)を用いた。錠剤直径:8mm、錠剤質量:180mgの製錠を打錠圧:10kNで実施した。
その結果、錠剤品質特性(錠剤硬度、崩壊時間)に関して、結合剤の溶液添加と粉末添加で崩壊時間は120秒以下で優れた錠剤が設計されていることが認められた。錠剤硬度については、粉末添加では溶液添加に比べて低い。この結果から結合剤の粉末添加は、溶液添加に比べて付着・凝集力による結合作用が弱いと考えられた。いずれの添加方法においても打錠障害は発生しなかった。
[第3回]は、乾燥工程、整粒工程および打錠前混合工程に関して解説する。
1.乾燥工程2)、3)
乾燥は、造粒やコーティングの後に、中間製品や製剤に含まれた溶媒を除去する工程である。乾燥方式や作業方式によって、乾燥むら、薬物の造粒物表面への移動による含量の偏析、乾燥中の顆粒の摩損・破砕、打錠用粉粒体の過乾燥による錠剤の硬度低下や乾燥不足でのスティッキング発生などの原因となる場合がある。また、粒体中に残留した溶媒は残留量によっては、次工程以降の製造性や品質、安定性に影響するので、乾燥条件や終点の決定には注意を要する2)。
乾燥装置の選定にあたっては、①粉粒体の熱に対する敏感性。②乾燥後の粉粒体特性としての粒径、形状、嵩密度、安息角、空隙率など。③乾燥製品の汚染(装置の磨耗、装置内の異物残留、清掃の容易性など)。④湿潤粉粒体の乾燥特性(乾燥特性曲線に基づいた乾燥所要時間の推定、限界含水率の把握、装置機種特有の熱容量係数の把握)。⑤予備脱水(乾燥の前に機械的な方法で脱水しておく必要があるか否か)。⑥設置条件に対する配慮(経済的および環F境的条件)などを検討する必要がある3)。
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