コンビネーション製品 ~医薬品と医療機器の間で【第2回】
第2回 GMP/QMSと査察対応
コンビネーション製品についての第2回目は、GMP対応およびQMS対応、そしてその査察対応についてお話ししたいと思います。あくまでも私の経験と私見に基づくものですので、「そういうこともあるのだな」程度に捉えていただければ幸いです。
コンビネーション製品を扱っていると、場合によっては、医薬品側からの監査と医療機器側からの監査の両方を受けることになります。FDA査察などは査察官1名でも大変な準備と対応が必要ですが、コンビネーション製品の査察において、医薬品担当と医療機器担当の2名の査察官による合同査察となったことがありました。また、あるFDAへの新規申請では、3名の査察官(おそらくそれぞれ、GMP全般、マイクロバイオロジスト、医療機器担当であったと記憶しています)がいらっしゃった事例もあったと聞いています。
さて、医薬品と医療機器、両者の査察は「患者さん視点で医療製品の品質を守るためのものである」という点は共通していますが、その要求事項や査察の進め方は少し異なっています。
この医薬品のGMP要求事項および医療機器のQMS要求事項を上手く統合し、品質システムを合理的に構築する考え方が米国のガイドライン 1) にあります。コンビネーション製品を製造する際に、「医薬品GMPと医療機器QSRの両方を100%完全に満たす品質システムを2つ作る必要はない」とする、Streamlined Approach という考え方です。 これは、21 CFR Part 4 2) に規定されており、図1に示すようなアプローチによる「合理化(Streamlined)」を認めています。まず、ベースとなる品質システム(既存の品質システムが「医薬品ベース(Part 210/ 211)」なのか、「医療機器ベース(Part 820)」なのか)を選択し、不足分、すなわちベースとしたシステムに、もう一方の規制特有の「特定の条項(Specified Provisions)」のみを追加して補います。
これを見ると、両者の特徴がよくわかるなと感じています。
医薬品が主たる作用モードのコンビネーション製品は、21 CFR Part 210, 211の要求事項に、医療機器側の要求である「経営者の責任、設計管理、CAPA、購買管理、据え付け、修理」が追加されます。一方、医療機器が主たる作用モードのコンビネーション製品では、21 CFR Part 820に、「原料・医薬品容器および施栓系の試験と合否判断、収率計算、ヒト用OTC医薬品の改ざん明示包装要件、有効期限表示、試験及び出荷判定許可、安定性試験、保存サンプル」が追加されています。
ただし、2026年2月に予定されている Part 820 の改訂(QMSRへの移行)により、Streamlined Approachの考え方は残るものの、図1に示したSection No.の参照先が Part 820 の条項番号から ISO 13485 の条項番号に置き換わりますので、今後の改正にご注意ください。
この両者の違いから、私が経験したことや感じたことを徒然なるままに記します。
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