医薬品のモノづくりの歩み【第48回】(最終回)

執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践

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BSCとKPIマネジメント(10)

  2021年12月に連載を開始しました‶医薬品の「モノづくり」の歩み″は、今回を持って終了します。前回まで、「モノづくり」の基本要素の品質、安定供給、生産性(コスト)のパフォーマンスレベルを評価するKPIを主に紹介してきました。最終回は、その他、工場の「モノづくり」のレベルを上げるための様々な取り組みがなされていますが、その評価のために良く使われるKPIについて紹介します。(表1)

表1 工場の「モノづくり」のパフォーマンスレベルを評価するKPI

(1)正社員比率
 工場従業員の中では、製造部門や試験部門などの直接作業要員の一過性の工数不足に対して非正規社員(契約社員や派遣社員など)を採用して補うことがあります。非正規社員の採用は、繁忙時の短期雇用となることから労務費の変動費化を図ることができるほか、正社員より低賃金のため、労務費の削減にもなります。一方、技術伝承など技術力低下が懸念されるため過度な採用を控える必要があります。従って、工場の全従業員に占める正社員の比率を分析することで、非正規社員の活用においてトレードオフの関係にある労働生産性と技術力を評価し、そのバランスを適正に保つことに活用されます。

正社員比率(%) =
  正社員数
工場従業員総数
× 100


(2) 改善活動件数と達成度
  原価低減や品質向上など評価対象期間に活動した小集団活動の件数と、その中でテーマを完了した件数の比率を達成度として表します。
小集団活動の件数と完了件数をモニタリングすることで、取り上げたテーマがQCDTのいずれの要素のレベル向上に成果が得られたかを見るだけでなく、活動を通じてメンバーの自主性やチームワーク、職場風土の改善に繋がったかの参考指標になります。尚、対象とする小集団活動は、職場内だけでなく、組織横断型のプロジェクトのような活動も含みます。

達成度(%) =
  完了件数
小集団活動件数
× 100

 
(3)多能化度

 生産計画の変更に対して、安定生産の維持と効率生産を行うために、直接要員の柔軟な要員配置が必要になります。そのために、直接要員が複数の作業を担えるよう多能化を図りますが、そのレベルを評価するために多能化度が用いられます。このKPIは、一人の従業員が複数の業務を担うことができる多能化の程度を、対象とする組織の一人当たりの修得評点数(又は修得業務数)の平均により多能化度として表します。また、従業員の人材育成の取り組み状況の一つにもなり、従業員が修得できた一人当たりの修得評点数(又は修得業務数)を用いて評価します。

多能化度(%) =
総修得評点数(又は修得業務数)
     調査対象人数
 

 

 

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