【第29回】デジタルヘルスで切り拓く未来

「デジタルヘルスの仕掛けとシビックパワー」


●要旨
 2025年10月13日に関西・大阪万国博覧会(万博)は、大賑わいのなか閉幕しました。デジタルヘルスについてどのような視点を与えたかをまとめました。マイデータの時代において、2050年の「未来の姿」を提示することで行動変容をもたらす仕掛けのユニークさを体感できました。一方で、閉幕とともにサービス終了となったことで新たな課題を見せました。
 シビックパワーがより良い万博体験を導いたことも印象的で、新しい時代のデジタルヘルスについてのヒントになるでしょう。

●はじめに ポスト万博の前にまとめをする
 10月13日に万博は閉幕しました。10月に入ってからは、入場予約そのものがとても難しい状況でした。そして入場できたとしても、長蛇の列があちらこちらにでき、「待たない万博」から「待たされる万博」どころか、並ぶこともできない状況もありました。そのくらいの熱狂でした。私は地の利を活かし、業務と関連性の高いイベントにも参加し、20回も会場に足を運びました。「いのち」について多様な面から感じ取る機会を得ることができました。

 今回は、万博がデジタルヘルスの領域でどのような様子を見せたのか、一旦まとめてみようと思います。次回には、ポスト万博として、研究開発やビジネスにどのような影響がありそうかを記したいと思います。

<図表> データによる行動変容のアップデート

1 マイデータから次へ促すもの
 予約することが難関であった、大阪ヘルスケアパビリオンによる「リボーン体験」にようやく参加できました。駅構内に設置されているカラダ計測ポッドでは、表示されない25年後(2050年)の自分に会うことを大変楽しみにしていました。パビリオン内にあるカラダ計測ポッドの機能は同じようなものですが、計測データを元に25年後の自分が生成されます。元とするデータの項目が多いため計測には少し時間が必要でしたが、ポッドの数が多く待ち時間はありませんでした。マイデータを取得したのちに未来へ飛ぶ仕掛けのある部屋を通って、未来の自分と対面しました。

 

 

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